奪われた幸せ-6
遺影に写る彼の優しい笑顔。参列者の中には亡くなった彼の母親や上司も居て。
白く冷たくなった彼の顔。そこに風馬君のボロボロと流れる涙粒が音もなく弾け。
「…うっ、うう!」
「………。」
「母さんと、結婚するって…言ったよね?そして僕と母さんを幸せにするって、若葉ちゃんの事も結婚の事も、二人が幸せになれるように力になる、父親として…そう言ったじゃんか!…自分が仕事の日もレストランに来ても良い、ただ全然驚かないけどね、って。」
延々と語り出す風馬君、しかしその問いに答える事はもう永遠に来ず。
「風馬…。」
見てるおばさんももらい泣きし。
煙突から彼の遺灰が大空へと飛び去って行くの私と彼で見上げ。
未だ涙が納まらない彼を私は強く強く抱きしめた。
「うっうう!ううわぁん…。」