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二人の外道
【鬼畜 官能小説】

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A:5-3

「夜でもやっぱ夏はあっちいなぁ。夏、滅ばないかな」
 顔に流れる汗を拭ってAは隣で作業をしているBに不平を漏らした。
「滅ぶわけないだろ、そんなことより黙ってさっさと掘れよ」
 Bはそんな叶いもしない話を汗と共に流しながら、ショベルを地面に突き刺した。早く作業を終えて我が家に帰りたいのだ。
「へいへい、黙ってやりますよ、黙って。それじゃ、もし脱水で倒れたら介抱してね?」
 一言目と二言目で矛盾するのはいつもの事だ。
「脱水は水分と塩分が不足して起こるらしいからな、小便飲ませてやるよ」
「ひどい、外道!」
「よく聞こえない、しっかり喋れ。……おし、そろそろいいだろう」
 二人は1メートル半ほどの深さと横幅をもつ穴の中から這い出ると、何かが詰まった麻袋をその穴に二人掛かりで抱え上げ、落し入れた。
「彼女は天国に行けるだろうかね……」
 穴を埋め戻しながらBはつぶやいた。彼の目には麻袋を透過してすでに冷たくなった骸が映っている。
「なあに、あとで念仏唱えるさ」
 今度はAが先ほどのBのように話を流しながら、麻袋の上に土を掛けていた。物言わぬ死体のことなど、彼にはどうでもよいことだった。
 十分ほどで穴を埋め終えると、Bは律儀に両手を合わせてから車に戻った。彼の心に罪悪感は無かったが、ほんの少しだけ虚無感と脱力感が残された。なぜか事後はいつも、こうだった。
 一方のAはというと、二人分のショベルを倉庫に片付けるために一歩先にこの場を離れていた。結局念仏は唱えなかったらしい。それどころか、倉庫へ向かう彼は鼻歌を歌っていた様だった。
 彼ら二人は、表舞台ではよき家庭人であり、有能な職業人であった。だが、裏の顔は非力な少女を拉致しては嬲り物にするという残虐非道な人間でもあった。二人には守るべき存在も、果たすべき責任もあったが、同時にそれらを危険にさらしてでもでも満たしたい、抑えきれぬ欲求もあった。
 いつの日か彼らの上に、犠牲となった少女たちの怨念が天罰となって降りかかるであろう。だが、少なくとも二人は報いが下るその瞬間までは、この行いを止めることはないだろう。天罰なぞすでに恐れるような二人ではなかった。
 彼らは征く、飽くなき性的欲望を満たすために!


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