第19話『乗馬の鉄人』-3
第2種目、長距離走。 引き続き『競馬の達人』が、牝ウマのおっぱいを亀甲に搾る形で取り付けられた鞍に跨り、乳根と乳首を連結セットされた鐙に足を掻ける。 距離は1500メートルで、人を背負って走るだけでも一苦労する距離だ。 空砲がなり、2騎は1週500メートルのグランドをぐるぐる回る。 『鉄人』は、短距離走では使用した鞭を封印し、手綱でもって体勢を整えさせることに集中する。 時折腰を浮かした前傾姿勢で牝ウマを追い込むものの、無茶なプレッシャーは手控えていた。 牝ウマは、年相応に荒い息を咥えたハミから漏らしながら、それでも必死でグランドを回った。 特赦がかかっているため、といえば簡単だが、それだけではない。 巧みに自分を操る『鉄人』の意図に縛られる彼女は、自分が楽になるには走り続けてゴールするしかないことを理解していた。 一方素人露馬は、今回も素人そっちのけで露馬がペースを作る。 ここまでは短距離走と同じだが、ここからの展開が異なっていた。 どうにか騎手としてカッコをつけるべく、素人は適当なタイミングで鞭を振るう。 走るリズムを崩された露馬と、何も考えずに鞭をふるったことで体勢を崩した素人が重なり、もんどりうって転んでしまった。 素人は鞍からふっとび、鞍とおっぱいを結んでいた革ひもがほどける。 こうなってしまうと、もう一度露馬に乗るだけでも大事だ。 素人が露馬に鞍、鐙をつけるべく四苦八苦するうちに、牝ウマは一周の差をつけていた。 そこから露馬が巻き返すも、500メートル差を逆転するには至らない。 結局最初の牝ウマが14分23秒でゴールしてから30秒後、砂に汚れた露馬と騎手とがゴールした。
第3種目、ハードル走。 牝ウマの騎手が『障害の鉄人』に代わる。 『鉄人』は手綱を短く絞り、体を牝ウマに密着させた。 ハードルを飛び越える時に牝ウマが踏ん張るタイ%