プレゼント2-1
タクミの胸の中で
ちづるは泣きじゃくっている。
涙は全然止まらなかった。
子供のように泣いてしまい
しゃっくりをあげて
呼吸をするのも苦しい。
「 っっ く 、、ぅ″っ
ふぅっ っ ぅう、、、
っ く 」
1番 好きだから
こんなに
苦しくなるの ?
タクミは、
ちづるが泣き止むまで
抱きしめていた。
しばらくして落ち着くと
ちづるの目はさらに真っ赤になり
腫れている。
タクミは
下半身がトランクス姿の自分に
気がついて小さなタンスから
黒のスウェットのズボンを
取りだし、それを履いた。
ズボンを履き終えると、
勉強机に置いてある学生鞄から
黒い小さな紙袋を取り出す。
ちづるはベッドの上に座り、
泣きはらした目をたまに手でこする。
タクミがちづるの目の前に
袋を差し出す。
「はい。
これ、、、 」
「 ? 」
「プレゼント。
開けてみて。」
「 ぇ、、? 、 、」
ちづるは、
まだぼんやりとして
頭が回らないまま
ゴソゴソと袋の中の小箱を取り出す。
1度、きょとんとした顔で
タクミを見た後に
真っ白の小箱の蓋を開けた。
「 、!
、、、綺麗 、、 」
「 うん。」
「 、、でも、なんで?
プレゼント、、、 ?」
「、、、、。」
タクミは、
ちづるの前でベッドの上で
あぐらをかいて座った。
じっとちづるを見る。
真っ赤な目は腫れていて
きょとんとした顔は
やはり子供のようだ。
真剣な目でちづるを見つめた後に
口を開く。
「 結婚して。 」
「、、、 ぇ ? 」
「 これは、、その。
日頃のお礼として
買ったプレゼントだけど。
でも、、。
俺、、、、 俺は 」
どう言えば
伝わるんだろう
「どうしても、ちづちゃんが
欲しい。 」
「 、! 、、、 」
「エッチだけじゃ、、
駄目なんだよ。
もっと、、ちゃんと
頼ってほしいって
いつも 思ってた。
それに俺、、、
ちづちゃんと
ずっと一緒に 居たい。 」
「 、 、 、 、 」
「なんでも、、話してほしいし。
そんで、、、
ずっと一緒に って、、。
そう考えると、、
俺には
結婚しかない って。
思うから。 」
「、 、 、 、 、 っ 」
ちづるは驚いてタクミを見る。
しばらく、2人は見つめあったまま
黙っていた。