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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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タクミの家-2

ちづるはタクミの部屋に
入って立ち尽くし
キョロキョロしながら呟く。

「綺麗に、、してるね。」


タクミの部屋は
男1人とは思えないほど
綺麗に整頓されている。

6畳ほど部屋には、
勉強机とイス。
ベッド。

勉強机の横には16インチほどの
テレビが置いてある。

テレビの横には
人の背丈の高さぐらいの
本棚があり、漫画が数冊置いてある。
それ以外は全部CDだった。

ベッドの足元の方の床に
CDプレーヤーが置いてある。

カーテン、ベッド、
床のカーペットを
青や紺色を使っている為、確かに
男の部屋、といった感じがした。

ちづるが言う。

「掃除とか、、
  自分でしてるの? 」

「んーー? まぁ ね。
    ぁ、座ったら?」

タクミは
もらったおかゆを勉強机に置いて
そこのイスに座り、
ちづるをベッドの上に座るよう
目で合図を送りながらそう言った。


「 、ぁ。 うん、、 では 」

ちづるはコートを脱ぐ。
すぐにタクミが「かして」と言い、
脱いだコートをハンガーで
壁際にかけてくれた。

遠慮気味に
静かにベッドに座った。

ちづるが落ち着かない様子で言う。


「タクミ君の部屋、、は、
 うちの家では、あれだね。
 使ってない部屋の所、、だねぇ。」

「 ぇ? ぁーー、、。
 そうだね。
 、、、。
  あそこの部屋は何があるの?」

「んー? 何もないよ〜。
  季節のもの、、
    扇風機、、とか。
 あと、ヒーターとか、、かな。」

「そっか。 、、、。」


「、、、、っ、、ぅん。
 ぁ!
 和室は?使ってないの?」

「んー? うん。
 親の、、
タンスとかだけになってる〜。」

「そっ か 、、、、。」

「、 、、、 。」


2人の間に妙な沈黙が流れる。

ちづるが言う。


「 あ 。 
 ごめん、ちょっと、、
   トイレ借りていい?  」

「 ぇ?  うん。」

ちづるは立ち上がり、
部屋を出る。

同じ市営住宅の隣同士。

家の中の造りはほとんど同じだ。

玄関を入ってすぐ右が
トイレと風呂場のある部屋だ。

ちづるはトイレを借りた後、
電気のついていない
暗いキッチンを見た。

外灯の灯りが
窓からぼんやりと入り、
静かだった。

冷蔵庫だけが
ヴーーと音をたてている。

キッチンも
自分の家の広さと同じはずなのに
とても広く感じた。

少し眺めると、
その理由はすぐに分かる。

「 、 、 、、、。

      ぁ   」

  そっか 

   食器棚が ないんだ

 炊飯器も ない 

   そういえば 鍋も、、

 ヤカンとテーブルだけ
       って感じ、、、
 


      なんか 

        なんだか 

      ぁ、。


キッチンの隣のリビングは、
洋服ラックが2つ置いてあり
かかっている服は
ほとんどが女物だ。

洋服ラックの下にも
女物のバッグが10個ほど置いてある。
それ以外に物はなく、
カーペットも敷いてない。

リビングとして
活用していない事が一目で分かる。


「 、 、、、、。」


  洋服 いっぱい、、、

   お母さんの だよね



ちづるはタクミの部屋に戻った。
タクミは勉強机のイスに座り
少しぼんやりとしている。
ちづるは再びベッドに腰を
かけようとしながら呟く。

「 ありがと。
 本当、綺麗にしてるね。」

「んー? まぁ、
  俺しか使わないし。 」

「掃除機とか、自分でやるの?」

「 ん? うん。」

「そっかぁ。 洗濯も?」

   本当 綺麗にしてる

     だけど 

  なんか

   寂しい感じがする  


「まぁ、、うん、前は ね。
 今はほら、ちづちゃん家で
 一緒にやってもらう事、多いから」

「 ぁ、。 うん。
      そうだねぇ。 」


「、 、、、 で? 」


「 ぇ? 」

「、、俺の家、見にきたの?」

「 ぁ! 」


タクミは少し冗談のように
微笑んで、そうちづるに言う。

ちづるは言う。

「 ぇと、、そう、、
 ううんっ! 違くて、、
  話したくて きたの ! 」

   ちゃんと 問い詰める

  〜っ  タクミ君の

  お腹痛いは ! 


「うん。 なーに??」


「ぁ、 あたしっ! 
 うそ  〜っ
   嘘だと! 思う!! 」

「 え? 、、何が? 」

「タクミ君の、、
 お腹 痛いって 〜っ 
    嘘だと思ったの! 」


「 ! 」

「だから、、っ きたの、、。」

「、、、、。」

「 っ  、、、、、。」



2人は見つめあって沈黙した。


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