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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第15話『売笑オークション ウィップ・プライス』-6

 どれもこれも『売笑』に相応しい、姉妹の人格を無視した商品ばかりだったが、嬉々として値段をつける参加者たちには、少女に対する配慮なんて微塵もない。 『命名権』の売却でようやく規定の『賠償額』に達し、姉妹のオークションは区切りになる。 司会者が笑顔で『おめでとうございます! 無事に目標額に達しましたね。 今のお気持ちはいかがですか?』 少女は無言のままだったが、姉は『……お買い上げいただき、ありがとうございます。 ……嬉しいです』 搾るように返事をした。 会場が大きな拍手で見送る中、既に衣装のあらかたを脱がされ、張られた二プレスも剥がされてほとんど全裸にされていた2人は、アシスタントに両脇を抱えられてステージを後にした。 その様子は、ゲストが退出するというよりは、奴隷が拘束されているといった方が相応しい。 なにしろこれから少女たちは、全世界を周って自分を購入した人々に売笑するのだ。 添い寝をし、耳かきをし、お風呂にはいって残り湯をつくり、広告し、名前を変え、おっぱいの型をおでんい提供し……たった1度『露馬』に暴力を振るった結果がこの始末と考えると、居た堪れない気持ちがないでもない。 

 姉妹の次は、蹴とばした石を偶然『露馬』に宛ててしまった女性がゲスト。 3人目は、自分の娘が『露馬』になったことを知らず、娘をひっぱたいてしまった母親がゲスト。 ゲストたちは、姉妹同様、恥ずかしい出品のオンパレードだった。 特に母親は、実年齢の割には若々しく美しかったが、40代後半という年齢のために中々値段があがらない。 結局『母乳を直接、子供より先に飲ませてもらう予約権利(いまは妊娠していないが、これからすぐに妊娠し、母乳を出すので、その母乳を呑んでもらう)』がマニアに『10000ユーロ』で売れて、どうにか『賠償額』を売笑した。

 ゲスト全員がノルマをクリアして去ったところで、司会者が画面にむかってお辞儀をする。 フッ、会場から明かりが消える。 『ご購入ありがとうございました』と端正な声がしたところで『OWARI』のテロップが流れ、オークション番組の幕は下りた。



 ……。


 『ウィップ・プライス』には副次的産物がある。 市民が他市民に暴行、器物破損、名誉棄損等で損害を負わせた場合、市民もまた『ウィップ・プライス』的に賠償することになっているためだ。 ゆえに、『ウィップ・プライス』は『市民同士のいざこざにおいて、賠償額を決定する基準』として活用されている。 例えば隣人と口喧嘩になり、つい手が出てしまった場合は、旧刑法で200ユーロの賠償だ。 ゆえに現代では、200ユーロ分の売笑行為でもって罪を償うことになる。 200ユーロ分の売笑行為とは、すなわち『ウィップ・プライス』で200ユーロの値がついた行為のことだ。 過去に放映された『ウィップ・プライス』を参考にすれば、『体に落書きして市内一周する』ことに対して『200ユーロ』の値段がついていた。 この過去の例を参照し、200ユーロ分の損害を与えた加害者は、被害者に落書きしてもらってから市内を走りって恥を掻けくことで、200ユーロ分の罪を償うことが出来る。 このようにな仕組みにより、『ウィップ・プライス』で参加者が示す購入額は、新たな秩序構築に一役かっている。

 副次的産物を持つ番組は『ウィップ・プライス』に限らない。 新法を題材にした『2ch』の番組群は、影響力に多寡こそあれ、市民に新しい法の詳細と判断基準を植え付けている。 統治機構の変容した社会では、かつての常識は意味を為さない。 自分を、そして家族を守るために受け入れるべき新たな常識を教えてくれるものがあるとすれば、『2ch』より高度な教材など見当たらない。 『1ch』で政見放送から新しい法律を学び、『2ch』で法律がどのように社会に反映するかを学ぶ。 2つのチャンネルから流れる番組群は、既に市民にとって、生活の根幹を為していた。

 市民たちの耳元に響く蹄の音は、まだまだ大きくなる一方である。



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