1980年代前半という時代だった-1
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俺は工業高校を出たら、親類のオジサンの会社で働くことになったんや。
はじめウチから通っとったんやけど、オジサンがとなりの市に新しい営業所を作ったから、俺はそこへ通いやすいように小さいマンションに住む事になったんや。
初めての一人暮らしや……言うても、親の目の届く範囲やから、ヘタなことは出来ひんかったけど、親と住んどった時には無理やったオナニーが、思いきり出来るんがよかったわ。
まだビデオは高価過ぎる時代やったけど、マンションの近くの本屋でヌード雑誌買うて、それ見ながらオナニーしとったんや。
そのころ、小さい女の子のヌード写真が、あたりまえのように本屋に並んどったんや。
「ロリータヌード」言うとったな。
はじめ見た時びっくりしたで。女の子のおへその下のワレメが、ハッキリ写っとったんやから。
いやらしい、言うよりキレイやったな。俺らはずっとヌード雑誌言うたら、おへその下にベタッと黒い四角でアソコを隠しとるのが常識やったから。
あの黒い四角の奥には、こんな可愛いモンがあったんや〜 なんて感動したわ。
でも結局、それを見ながらオナニーするんやから、根性汚ないわな。
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だんだん時代が進んで来たら、「ロリータヌード」が「ロリータポルノ」になって来よったんや。
そんな写真を紹介する本をよう手に入れたわ。
これはモトが外国のヤツやから、黒く塗ったヤツやったけど、どない見ても小さい女の子が 大人の男のチンチンをなめとるような写真が載せられとったんや。
これはアカンかったな。
自分が求めとるんは こんなんやないけど、そんな写真を見とるうちに、自分なりに女の子のエロい写真を撮りたいな……って言う気持ちが湧いて来たんや。
そのころマンションの近くの雑居ビルで、「子どものためのマイコン教室」とか言うのやっとったんや。
教室のある日は、ビルの下に子どもらの自転車がようけ停めてあったんや。
ある日、可愛い女の子がそこに自転車停めよるんを見たんや。
ひかりチャン、言う子や。隣町に住んどる子や。
電話は「17-7βββ」。
なんでわかったか、言うたら 自転車の車体に名前と住所と電話番号書いたシールが貼ってあったからや。
それから、仕事の時間が空いたら 自転車でその住所の家を訪ねてみる事が時々あった。
ひかりチャンの家は、一戸建てやった。
時々あの自転車が停めてあるのが見えた。
そやけど、俺の仕事の空き時間は学校の授業時間やから、ひかりチャンの姿を見る事はでけへんかった。
(夏休みが チャンスかな……?)