巴のバレンタインデー-2
「そんな、あり得ないよ伊吹さんに限って。」
「勿論そんなの分かってるよ、でも…。」
いつものドーナツ店で例の光景について語る事に。
「もしや人違い?一条君と水野君背も高いし。」
「いやいやどれだけ巴ちゃん目が悪いのさ。」
「だよねー。」
あからさまに真っすぐな瞳でその彼にチョコを渡していたし。
「…やっぱり浮気なのかな。」
「そんな訳ないって言ってるでしょ!巴ちゃんはぁ。」
つい頭に血が昇って声を張り上げテーブルを両手で叩く。
「あーごめん。」
「…いや私こそ、でも。」
一息入れてお互い飲み物を口にする。
「…浮気でないなら何なんだろうね、僕らの方が伊吹さんと見間違い、いやないな。」
「うん…。」
そうだったらいいけど、長い付き合いの親友を見間違える筈もないし。
「電話で確認してみたら?」
「えっ、でも…。」
確かにその方が色々と効率いいかも。
私は彼の提案に乗り、早速電話をしてみる事に。