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【学園物 官能小説】

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イケナイ課外授業-11










「いやあ、芦屋先生。総体準優勝なんて、野球部は優秀ですなあ」


職員室に入った芦屋は、部室の鍵を返却し、管理簿に自分の名前を記入していた。


そこに声を掛けて来たのは教頭の児玉。


彼は神経質そうな眼鏡の奥から底意地の悪そうな目を珍しく緩ませながら、芦屋の肩をポンと叩く。


自分じゃ決して嫌われ者になりたくないからと、芦屋に生徒指導の役を押し付けたこの男を、芦屋はずっと疎ましく思っていた。


だが、今はそんなことはどうでもよい。


むしろ感謝すらしている。


自分が生徒指導をしていたから、相馬と知り合えたのだから。


芦屋はそんなことを考えながら、管理簿に名前を書き終わると、


「ええ、おかげさまで、今年の選手は特にいい素材が集まってますからね」


と、笑い返した。


「ほう、心強い。その、特にいい素材ってのは……」


「飛坂ですね、飛坂健太。2年F組の」


「飛坂って、あの小さな子ですか?」


児玉が小さな瞳を真ん丸にしてポカンと口を開ける。


意外そうな顔をするのも無理はあるまい、と芦屋は思いながらも含み笑いで答える。


「ええ。飛坂は体格はあまり恵まれていないんですが、代わりに足の速さや瞬発力に優れています。ショートに抜擢してからは、メキメキと頭角を現してきたんですよ。……それに」


「それに?」


「スタミナもある」


芦屋はそれだけ言い残すと、児玉の顔を見ることもなく職員室を出ようとした。


そんな芦屋の背中に、さらに児玉の声がかけられる。


「へえ……。それでは、飛坂くんは期待の星なんですな。F組は学年トップの相馬友美もいるし、優秀なクラスですね」


ピタリと芦屋の脚が止まった。


優秀、か……。


芦屋はニヤリと邪悪な笑みを浮かべていたが、振り返った時にはその片鱗すら見せず、ニッコリと爽やかな笑みに変わっていた。


「そうですね。飛坂は部活で頑張ってくれてるし、相馬もすごく成績が優秀だし、ほんと他の生徒も見習って欲しいですね」


そう言って、児玉と和やかに笑い合う芦屋は、


「では、体育教官室に戻ります」


と、彼に頭を下げて職員室を後にした。





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