二時間目:水泳@-1
【二時間目:水泳@】
お互いに見せ合うオナニーをして、その卑猥さと興奮を共有した優衣は、すっかり打ち解けた気分になっていた。
しかし、その一方では、今日中に処女を喪失しなければならないことが重くのし掛かり、優衣の気持ちを暗くしていた。
(俊くん…)
引っ越しの前日、別れの挨拶の時に、初めて握った元クラスメートの手の温もりを思い返した。
淡い恋心を胸に秘めていたが、皮肉なことに別れの当日に告白されて、自分に対する俊の気持ちを初めて知ることができた。
別れ間際に、俊がいつも使っていた愛用のシャープペンシルを思い出に貰った。
「今度会う時まで、ずっと肌身離さず持ってるからね」
涙ながらに交わした約束の証しは、今は教室で脱がされたシャツのポケットに収まれていた。
色んなことが一気に起こり、俊の存在が凄く遠くに感じられてしまった。
こんなことなら、引っ越しの前に、俊に処女を渡しておけばよかったと後悔していた。しかし、その時の優衣は、セックスのことは意識すらしていなかったため、今さら仕方がないことだった。ならば、せめてファーストキスだけでも済ましとけばよかったと悔やまれて仕方がなかった。
授業の内容を莉乃に聞いたところ、このまま俊に再会するまで処女を通すことが困難だとわかった。授業そのものに、色んな体位を習得する【セックス】の時間割があるからだ。
しかし、いくら遠くに越してきたといっても、同じ日本国内なのに、ここまで授業の内容や風紀が違うことが、優衣には理解できなかった。
目を通した卑猥な教科書も、綺麗に製本されたもので、普通に出版社で作られたものに間違いはなかった。
(確か法律で、オメコ…じゃなかった。アソコの画像を載せたらダメなはずやのに…)
思考の中に、抵抗なく卑猥な単語が浮かび始めた優衣は、それに気づいて慌てて心の中で言い直した。
プールへの移動中、話しかけてくる莉乃に相槌を打ちつつ、一方では色んなことを考えていた。
移動しながら校内を説明していた莉乃だったが、ある場所に差し掛かると、ここは特別だとばかりに、説明する声のトーンが少し上がった。
「優衣ちゃん、ここは廊下でもセックスをしていい場所よ」
振り向いた莉乃の声で、優衣は思考を中断させた。
「セックスをしていい場所?」
それを示すようにそこは喘ぎ声に包まれていた。
壁に並んだ台の上で行為をする者達や、その台に手を着いた女子を、後ろから男子が立ちバックではめている光景が目に入った。中には数人の男子に責められて喘ぐ女子も居たし、その逆もあった。
「床と壁がピンクに塗られてるでしょ。校内のこのピンクゾーンだったらセックスしても先生に叱られないのよ。うふふ、ほら見て、校長先生もがんばってるよ」
莉乃が示した通り、そこには転入の手続きの時に会った校長が居た。
「うそ…」
校長なら人格者のはずだ。その校長が小柄な女子児童の尻に向けて腰を振っていた。優衣は校長の締まりのない顔に嫌悪感を覚えた。
「やあん、相変わらずキレのいい腰つかいだわ」
そう言った莉乃には、校長に対する嫌悪感など全く無さそうで、校長を見る視線には尊敬の念が込められていた。
(どうなってんの?)
莉乃は校長室に隠らず、時間を見つけては校内に出て、積極的に児童とスキンシップをはかるこの校長に好感を持っていた。
去年まで居た校長はS的要素が強く、女子の都合にお構い無しに校長室に呼びつけることが多かった。莉乃自身、奴隷嗜好がないにも関わらず、何度も奉仕に呼ばれて辟易していたこともあった。
しかし、今年度に新しく赴任してきた校長は違った。普通、校長ほどの立場の場合、着任時にする【挨拶】は、横に侍らせた女性教師か学級委員にフェラチオをさせるのが常だった。しかし、この校長は違った。
「いやあ、たまには自分で起たさないとなあ」と言いながら、自身の萎んだ肉棒をシコシコと扱き始めたのだ。