第4話-6
図書館の近くに停車してある大きな黒色のワンボックスカー…その車内にミヤギは乗っていた。車内には複数のモニターと、それを監視しているオペレーター達が数名いて、ミヤギは中央の椅子に座って状況を確認している。
「リンが対象に接近しました」
「よし分かった、出来るだけ相手に気付かれ無い様に監視を続けてくれ」
「了解」
ミヤギは、少し緊張しながら周囲に指示を出していた。彼自身…この様な行動をするのは初めてであり、彼の計画した事が必ずしも成功するとは限らないと…言う一握りの不安もあったから…。
(全てはリン次第の行動で決まる…)
リン…そう呼ばれるアンドロイドの少女は、つい数日前にミヤギがミマツ・カンパニーに行った時に出会ったアンドロイドであった。
〜数日前…
ガラス製の容器に入っているアンドロイドを見てミヤギは絶句した。中に入っているのは、年齢からすれば小学生位…大きくても中学生位であろう…。そんな子供の姿を見てミヤギは戸惑いが隠せなかった。
金色のショートヘア、白く柔らかそうな肌をしている幼い少女…。瞳は閉じたままであるが…長い睫毛が印象的であった。
「まさか…ジュリへの対抗策が…こんな小さなアンドロイドとは…」
驚きと不安に包まれた表情でミヤギは言う。
「プロトタイプXZー9000、MX16-95ガーベラ・シリーズ通称『リン』だ。見た目は小さいが、コイツはとんでも無くジャジャ馬だよ…。体が幼いのは育成システムを導入したからだ…」
「能力が高いから、少し扱いに手間取っているのよ」
カオルが苦笑いしながら言う。
「彼女との対話は可能ですか?」
「まあ…可能だが、試してみるかね?」
「はい、お願いします」
「分かった、研究室で待っていてくれ」
ミヤギはカオルと一緒に研究室へと行き、そこで少し待つ事にした。
しばらくして、オオタ課長がリンを車椅子に乗せて現れた。彼女は拘束衣を着せた状態で彼等の前に現れる。
「ちょっとやり過ぎではないですか?」
ミヤギが少し呆れた顔で言う。
「彼女には、何度か再調整をしているのだよ、色々と見直す箇所もあってな…」
眠っている状態のリンに近付きミヤギは声を掛ける。
「はじめまして…こんにちは、リンちゃん」
その言葉に反応してリンは、うっすらと瞳を開ける。青色の瞳が現れ…それがジッとミヤギの方へと向けられた。紅い唇が動いて言葉が発っせられる。
「はじめまして、こんにちは」
幼い少女は挨拶をするとニコッと微笑んだ。
「実は君に折り入って、お願いしたい事があるのだけど…良いかな?」
「イヤよ」
そう言ってリンは自ら拘束衣を引き千切った。そして空気弾で目の前にあるコンピュータを破壊する。
「リン、辞めなさい!」
カオルが言うとカオル目掛けて空気弾は放つ。咄嗟にミヤギがカオルを庇い被害は免れた。
リンは拘束衣を脱ぎ捨てて、キャミソール風の下着姿のまま外へと飛び出して行った。
「全く…LコアSのアンドロイドは欠陥ばかりだなぁ」
ミヤギが追い掛けようとした時、オオタが「ちょっと待て」と、呼び止める。
「コレを持って行け」
オオタは、小型のリモコンをミヤギに手渡す。
「何ですかコレは?」
「アイツに取り付けて置いたヤツさ、2〜30m位近くから作動出来る。まあ…やって見れば分かる。ヤツを直接追い掛けても速さや力等では我々に勝機は無いが…だったらヤツを取込む事にしてしまえば良いのさ、お前に出来れば…の話だが…?」
「分かました、やって見せます」
ミヤギは研究室出て外へと出て行周囲を見回しす。
対象が何処へ行ったのか分からず工場内ウロついていると、建物の上を飛び越えて行く人の姿を発見した。
「まるで忍者だな」
ミヤギは工場の非常階段を上って、リンに気付かれ無い様に背後から近付いて行く。
リンは工場の屋上付近に立ち止まっている。その隙を見計らってミヤギは予定の距離まで近付いて行き、物陰からリモコンの操作を行う。使い方が分からず、いきなりMAXにして見る。
リンは…どうなっているのか…?
除いて見ると…ミヤギは驚いた。
彼女は、その場に蹲って倒れている。しかもスカート越しから両手を股に押さえて、ビクビクと震えている。
ミヤギが側まで行くと、リンは顔を紅色させて「ア…アアァ…」と、激しく喘いでいる。
「感じているのか?」
「お願い…助けて…、アアン」
涎を垂らしてリンは懇願する。
「ショーツを脱げば良いろう?」
「出来ないの…」
リンは、スカートを捲ってショーツを触ろうとするが、特殊素材で作られたショーツは、アンドロイドでは掴め無い形状になっていた。
「もうダメ…イイィッー!」
ビクン、ビクンッと、リンの体は仰け反り激しい絶頂感に達した。
しかし…気持ちが収まる事無く、そのままの状態でリンはショーツに仕込まれた快感を受け続けられる。
「私…おかしくなっちゃう…止めて…」
ミヤギはリモコンを取り出して、機能を停止させる。
「我々の指示に従ってもらうけど良いかな?」
陰部への刺激が収まり、気持ちが落ち着くとリンは起き上がり、ミヤギに迫ってリモコンを払い落とす。
「イヤっと言ったでしょ?」
逃げようとしたリンをミヤギは捕まえて、いきなりキスした。
突然の口づけにリンの表情はウットリとした。
「貴方…こんな事して…ただで済むと思わないでよ…」
「どうするつもりだ…相当気持ち良かったのだろう?もう一回アレで感じて見る?」
「イヤ…アレは使っちゃダメェ」