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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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新しい父親-1

白い吐息がこの肌寒い外に浮かぶ中、私は彼の働くパン屋を練習風景を眺めるが如く穏やかな目で見つめていた。

テキパキと休み事なく体を動かし、商品の品出しや前出しをし、それでいて尚且つお客が来たら瞬時に挨拶し、質問をされても営業スマイルで難なくこなし、レジを担当している同僚が休憩に入り、代わりにレジに入るよう言われれば力強く返事をしパンを置いた所で颯爽にレジへ向かう。

その姿はとてもキラキラと輝いて見えて、それは私や将来生まれてくる子供の為の結婚資金だとか想像するだけで心が温かくなる。

彼の姿をボーと眺めそんな事を考えていたらあっと言う間に時は流れ、すっかり一時間以上も経過し、そろそろあがる頃と踏み裏口の方へ回る。

「お待たせー」
「お疲れ様風馬君。」
「ずっと外で眺めたよね?何も中入れば良かったのに…。」
「何も買う気がないのい入る訳にはいかないし、それだと君に色々と仕事の邪魔になると思ったから。ただでさえ見てて大変そうだったから。」

お金を貰って働く事は容易な事ではない、知らない人に気を遣って上司や先輩にも頭が上がらず、毎日色んな仕事を覚えて。

「まぁ確かにそうかもしれないけど、そんなに苦しい何て思わないよ。」
「またまたー気ぃ使ってぇ。」

でも店でバイトしてる時も常にニコニコしていた、営業スマイルと言ってしまえばそれまでだけど、恋人の勘としてはとてもあれが作り笑顔に見えなく。

「じゃーどうして辛くないって言いきれるの?」

そう尋ねると彼は振り向き穏やかな表情でこう答えた。

「バイト中、ずっと君の事を考えたからだよ…。」
「っ!!」

ズキューン♪不意にずるいよ風馬君。

「そんなっ!駄目だよ仕事に集中しないと。」
「勿論してるよ、ただ合間をぬって。」

まぁこの日は平日とあってそんなに客も来てなかったけど。

「でもお疲れさん、ずっと立ちっぱなしは大変さね。」
「大丈夫♪疲労はあるけどもう吹っ飛んだよ君の顔見たら!」

あうあうあうあうあうあうっ!

んもぅ、風馬君の…バカ💛


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