怒り-6
「ふん。奥さんが私にしたことは、この程度では、まだまだ納まらないわ。
やっぱり、あれね」
真顔に戻ったケイコが、美紀子を見下したように凜として言った。
そして、自ら医療用の鞄を開いて、細い針の付いた注射器と生理食塩水のプラボトルを取り出した。
「えっ、あれをやるのか」
稽古の動く姿を見てボブが切なそうな声を上げた。
「奥さん。お仕置きの時間よ。猫やバイブで散々感じたようだけど、ここにお仕置きするのが一番みたいね。さぁ、覚悟はいいこと」
ケイコは美紀子の股間を手のひらでパンパン叩いた。
「できるだけ、腿を拡げるのよ」
怖れふためいてキョロキョロする美紀子にかまわず、ケイコはヒタヒタと美紀子の腿を叩いてできるだけ足を開かせた。
照明とカメラがグンと近づいた。美紀子の股間が温かくなった。
ケイコは、風呂の湯にタオルを浸し、美紀子の秘唇を丁寧に拭った。綺麗になった茶褐色の秘唇を、今度は乾いたタオルで擦り、ヌメリをとった。
そして、あらためて美紀子の秘唇を左手で大きく開き、アルコール綿で念入りに消毒をし始めた。
「どこへ注射するのかなぁ?」
剛がふしぎそうにのぞきこんだ。
「ふふふ、どこだと思う。……ここよ!」
秘唇の合わせ目にある尖りをアルコール綿で捻るように消毒しながら嬉しそうにケイコが笑う。
「ひゃぁああぁ。……それは、強烈!」
剛が叫んだ。
「やめてぇ」
美紀子の悲愴な声が小さく聞こえた。
「ねぇ、大丈夫なのか?」
さすがに心配そうにボブも聞いてきた。
「プクッとふくらむわ。でもスッキリ飛び出して、よく見えるようになるわよ」
アルコール綿で念入りに揉みたてながら答えた。
「さてと、……ボブは奥さんの太腿に乗って両足をしっかり押さえ込んで。
剛は、奥さんのお腹の上に乗るのよ。
動けないようにしっかりね」
ボブと剛は無言で指示に従った。
「いいわ。じゃぁ、ボブは両手で、花ビラを大きく拡げて。……そう、そのまま押さえておいて……。
剛は、両手で皮を引っ張り上げてちょうだい。……それでいいわ。
ねぇ、奥さん。動けないって、気持ち良いでしょ。
本当は、だれも押さえない方が残酷なのよ。でもまぁ、今回は動けなくしてあげるから、存分に暴れてもいいわよ。
ボブに剛、針が折れたら大変だから、しっかり押さえておきっ!」
ケイコは注射器に生理食塩水を吸い上げ、透かして空気を抜いた。
「ううううっ、滲みるぅ……」
そして、何度もアルコール綿で消毒した。
美紀子は、どこへ針を刺されるのか触れられている場所でよくわかった。それは、女体の中でも一番敏感な秘めやかな場所だった。普段、皮をかぶっているのだが、皮を剥かれたりすると粘膜が現れ、下着の布で擦られてもピリッと感じる部分だった。
今、それが包皮を捲られて、すべてを剥き出しにされてライトに照らされていた。
「さぁ、奥さん、覚悟はできてるわね。
ふふふ、今度は痛みでオシッコ漏らしてもいいから。
あらら、震えてるじゃない。
なによ。怖くて縮んじゃってるじゃない。
でも、これ打つとパンパンに膨れるわよ。
じゃぁ、始めるわよ」
「あっ……はい……」
「ふふふ、奥さん。……こたえるわよ」
ケイコは注射器を真っ直ぐに構えた。