怒り-3
「いつまで喘いでいるんだよ。……そんなに良かったのかよ。
ふふ……まだ、逝きまくってやがる」
細かく震えている美紀子を見て、剛が呆れている。
「しかたないじゃないの。こんなの挿れられたんじゃ。……だれだってこんなになっちゃうわよ。
さて、次のシーンで今日はお終いよ。でも、こんなヘロヘロで大丈夫かしらね」
ケイコが心配して様子を見ている。
「女なんて、場所が変われば、気分も変わるってものさ」
剛が、両足首を繋いで、足を拡げている革のベルトを外すために美紀子を仰向けにした。
白いブラウスは両袖を残して前がはだけてクシャクシャになっている。両乳房は自重でわずかに潰れ、本来の位置から左右にずれていた。頭の上にあった両手首は、乳房をおさえるような場所で繋がっていた。
肩幅ほどに開いた両足の付け根には、自身の吐き出した白濁が乾いて陰毛にこびりつき、その中心にはスイッチが入ったままのバイブが太腿にささえられたまま唸りを上げていた。
半開きの口元からは悩ましい吐息が漏れ、ユックリ左右に蠢くアイマスクだけが場違いなようにキラキラと輝いていた。
「まぁ、このバイブもご苦労だったな。……まだ元気な音を立てている」
剛が哀れんだ声で言った。
「さぁ、ご機嫌の時間はお終いよ。……いつまでも咥えてるんじゃないよ。まったく……」
ケイコが面倒くさそうに股間に両手を伸ばした。
「すごいわねぇ。……もう、毛がパリパリになって貼り付いてるじゃないっ」
「ああっ、いやぁ、開かないでぇ」
「何ぃ、嫌だってさ。……奥さん、あんたずっと咥え込んでいたいの」
「違うの。自分で抜くわ。ねぇ、手をほどいてよ」
「何、恥ずかしがってるのよ。あんな逝き方されたら、見てる方が恥ずかしくなっちゃったわよ」
左手で秘唇を開くと、膣口に突き刺さっているバイブが見えた。その独特の形状のため、クリトリスが押し上げられ、普段ならひしゃげている尿道口が、これ見よがしに丸く飛び出していた。
「やだぁ……けっこう臭うわね。
きついわ、この匂い」
吐き出した蜜液が空気に触れ、独特の女臭を立てていた。
「さっ、抜くわよ。バイブちゃん、バイバイ」
そして、バイブを引き抜こうと右手をかけたそのときだった。
「あらっ?」
丸い尿道口がさらに広がり、みるみる水が湧き出てきた。
まさにこのときを待っていましたというタイミングだった。
キシュウゥゥ……。
女性独特の音を立てて、いきなりケイコに向けて放尿したのだった。
「うわっ……」
慌てて顔を背けたものの、股間に近づこうとしていたのが災いして、髪から服までズブ濡れになった。
「はははっ、おもしれぇ。……やられたなぁ」
剛が笑った。
「奥さん、わざとよねぇ。……なんてことするのよ。武史の知っている女だと優しくしてればいい気になって……」
立ち上がったケイコが怒っている。
「たしかに、許せないな。撮影ならともかく……」
剛も同調している。
「この仕返しは私に任せて……。後の撮影の前にお仕置きしてやるから。
もちろん、カメラは回したままにして……。
ふふふ、結構いい場面になって、たまらないわ。日本のものにはあまりないから、売れるかも……。
ます、着替えなくちゃ……。ああっ、臭っ!
可愛い顔した奥さんも、ひり出すウンコもオシッコも臭くて汚ったないわねぇ!」
タオルで身体を拭き拭き、ケイコはシャワーを浴びて着替えるために戻っていった。
後について剛も去って行き、美紀子はまた一人になった。
依然として手足は繋がれたままで、股間のバイブもスイッチが入ったままだった。
美紀子はケイコの仕返しとやらが気になって、少し後悔の念に襲われた。
そしてイトウたちは打ち合わせているんだろうか。
静けさの中に、バイブの音と湯が流れて落ちる音が不気味に響いていた。