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テープから聞こえる母の声
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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最終話・・・男気-5

 帰り道、父を見る母の目は、父に惚れ直したかのように輝いていました。ですが、まだ父に負い目を感じて居たのか、言葉を掛けるタイミングを掴めないようで、無言のまま歩いて居ました。突然父が私に話し掛け、

「おい、勤!」

「な、何!?」

「お前・・・学校転校する事になっても構わないか?」

「エッ!?」

 私は、父の突然の話しに驚きました・・・

 男から母を取り戻したものの、父は母を許せず、本心では離婚しようと考えて居るのかと思い、恐る恐る母の様子を伺うと、母も俯いていました。父は母にも話し掛け、

「恵美、お前あの男に貢いだって言ってたが、貯金も切り崩したのか?」

「い、いえ、家のお金には一切手を付けてません・・・あの男に貢いでしまったのは、私の・・・」

 母は、言葉を言いづらそうにしていました。身体を売ったお金を貢いでしまったと言おうとしたのでしょうが、父は母を遮り、

「そうか、なら良い!あの家は、四人で住むには狭すぎるからなぁ」

「「エッ!?」」

「明日は俺も休みだし、三人でお婆ちゃんのお見舞いに行くか?そして近い内に、四人で住む家でも捜すか・・・20年ローンぐらいで買えるような家をさ」

 父の申し出を聞き、母は立ち止まると顔を覆って泣き出しました。父は優しく母の背に右手を回すと、母は父に寄り添い、潤んだ瞳で父を見上げ、

「あなたを裏切った私なのに・・・」

「だがお前は、俺に全て打ち明けてくれた・・・それが、どんな覚悟を持って告白したのかは、俺にも分かるよ」

「でも・・・でもぉぉ・・・」

「お前がこのまま知らぬ存ぜぬで誤魔化し続け、俺の耳に入って居たのなら・・・俺はお前を決して許さなかっただろう!だが、お前は俺に打ち明けてくれた!!それで十分だ・・・家の事を、いやお前の事を、見向きもしなかった俺にも責任はある。今日こうして、改めてお前と向き合えば・・・俺は心底恵美に惚れて居たと思い知らされたよ」

「あ、あなたぁぁぁ!!」

 父に抱き付いた母を、父は優しく抱きしめた。私は、こんな父を誇りに思うと同時に、この場は二人きりにした方が良いと考え、先に家へと帰りました。


 お婆ちゃんは、幸い寝たきりになる事はありませんでしたが、一軒家を購入した我が家に迎え入れ、四人で新居に住み始めました。そして、ちょうどその頃、母に赤ちゃんが授かりました。私は、時期的にあの男や、金で抱かれた男達の誰かではと危惧し、赤ちゃんを産むのか母にそれとなく尋ねると、

「エエ、産むわ!この子は、間違い無くあなたと同じ、私の大好きなあの人の子供だから・・・」

 母はそう言うと、愛しそうにお腹を撫でました。その言葉通りでしたが、産まれた赤ちゃんは、母が望んだ女の子では無く男の子で、私の赤ん坊の頃にそっくりでした。私はホッと安堵し、お婆ちゃんは、冥土の土産が出来たと喜び、弟を可愛がりました。残念ながら、お婆ちゃんは弟が生まれて一ヶ月後に亡くなりましたが、最期まで一緒に暮らせた事を、父に感謝していたそうです。


 あれから私は・・・

「ねぇ、あなた・・・今日はゴムしなくても平気よ?」

「そうか!?じゃあ・・・」

「アァァン!?あなたぁぁ・・・アッ、アッアァァン!」

 私は、両親の寝室に聞き耳を立て、母の喘ぎ声を聞き、一人で慰める日々を過ごしております・・・

              テープから聞こえる母の声
                    完


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