揺れる保健室-3
一方、友美はそんな飛坂の心配をよそに、ジッと天井を仰いだままであった。
まだ、脚の間がジンワリと痺れるように熱を持っている。
振動はあれっきり収まったとは言え、未だクリトリスに固定されたままのローターは、ちょっと脚を動かしただけでその敏感な淫芽を圧迫する。
(ん……)
声が出そうになるのを、奥歯を噛み締めてなんとか堪える。
友美の身体は以前より、確実に感度が増していた。
それは、芦屋との性行為による所が大きいのは明らかで、彼とのセックスを思い出すだけで、いつでもどこでも下の口はパブロフの犬のようにだらしなくヨダレを垂らす始末である。
そして、それはもちろん今も。
ここに飛坂がいなければ、すぐにでも一人で自分を慰めたいのにそれも出来ない状況。
飛坂を追い出したくとも、彼があまりに心配そうにこちらを見てるから、それも憚られ、実質友美はさっきのおあずけ行為となんら変わらない状況に置かれたままだった。
(もう、飛坂の奴、邪魔だなあ)
こっそり友美は横目で飛坂を見つめてみる。
坊主頭の飛坂は、小柄なだけあって顔も頭も小さめだ。
そして子犬みたいな人懐っこい瞳に、まだヒゲの生える兆しのないゆで卵のような肌。
同じ男でも芦屋とは正反対であった。
そんな飛坂に男の色気はまだまだ皆無であり、二人きりの空間でも友美にはまるで緊張感がなかった。
(でも、顔立ちは悪くないかな)
全体的に見ればガキ臭さ丸出しだけど、一つ一つのパーツは結構整っている。
スッとつり上がった眉毛も、少し大きめな口も、もう少し成長したら結構いい線いくかもしれない。
ぼんやりそんなことを考えていると、突然バチッと彼と目が合った。