Girl Meets Devil 〜そのX〜-5
流石、エク…じゃなかった退魔師……
本気丸出しじゃないですか…先輩……
うちのピッチャーもまさかと思ったらしく、この後立て続けに乱打をくらい、気付けば4対2…
逆転されちゃった……
いや、まだ勝機はある!
だが、この回と8回の攻撃は三者凡退…
残すは9回裏、まさにラストチャンスだ。
この回は2番から始まる好打順。もちろん恭夜にも打席が巡って来る!
しかし、2番バッターは敢え無く三振……
ここで恭夜が一発長打を打って反撃の口火を切れれば…
しかし、またここで相手に動きがあった。
何と、葛城先輩をピッチャーに持ってくるようだ!
でも、先輩ピッチャーなんて出来るのかな?
……いや、あの人なら何か凄い魔球とか投げそう……
軽く肩慣らしをしてマウンドに立った先輩は屋上で恭夜を倒そうとしたとき以上の闘志を漲らせている…
ちょっと大人気ないですよ先輩…
そして第一球……
球速はそこまで早くなかった。
が、手元にきた瞬間にストンッと落下した…
フォークなんて投げれたんだ先輩…野球部より凄いじゃないですか…
流石の恭夜もこれには反応出来ず、今大会初の空振り。
「ストラーイク!!」
審判が高らかに判定を下す。
これに恭夜も火を着けられたようで、稀に見る本気の顔だ。
両方ともムキになりすぎて、死傷者出さないようにね……
第二球…
またも変化球。しかもスライダー…
先輩…あなた一体……
しかし恭夜もこれに食らいつき、何とかファールにする。
どうしよう…段々、ラブコメじゃなくなってきた……
第三球……
ストライクゾーンギリギリの力あるストレート…
恭夜はこれを待っていたかのように振り抜く……
快音とともに舞い上がった打球は吸い込まれるかのようにスタンドに落ちる…
…ホームラン
一瞬、全ての音が消え去り、そして一気に歓声が爆発する。