優しいジゴロ-1
1.
テナーサックスのソロが、ハレムノクターンの隠微で眠たげなメロディーを流している。
クラブとは言っても、広いばかりでバーに毛の生えた程度の店だ。
クルクル回転する赤、黄、青、紫のライトが、クラブらしさを演出している。
譲二は、この時間まで粘っていた女を抱いて踊っていた。
踊るといっても、舞台で客に見せるような踊りではない。
チークダンスと言えば、それ以上の説明は要るまい。
女の腕は譲二の首に巻きついている。
譲二はさっきから、リズムに合わせてムチムチと胸を女の乳房に押し付けている。
「ふう〜〜っ」
女が、鼻から息を吹いた。
「付いて来るかい?」
「はい、お願いします」
「礼子さんの紹介だったね」
「そうです、美佳です」
「じゃ決まりは分かっているね」
「ええ、ショートでお願いします、夫が居ますので・・・」
今週はこの女で二人目だ。
譲二は、熱海の芸者の子供としてこの世に生を受けた。父親は、何人かいたパトロンの一人だが、母はかたくなに秘密を守り続けた。譲二は、父親を知らない。
パトロンの来ない夜は、親子でひとつ布団に包まって寝た。
しばらくパトロンの来ない夜が続いた。
譲二は母の乳首を吸った。
くちゅくちゅくちゅくちゅ
ふ〜〜っ
母親の鼻息が乱れる。
くちゅくちゅくちゅくちゅ
譲二は、股間のペニスを握った。
中学生になって、ようやく毛が生え始めていた。
ふ〜ふむ〜ふ〜ふむ〜ふ〜〜〜
母親の鼻息が荒くなった。
(かあちゃん、マンズリしてんだな)
パソコンで画像を見たことがある。
いきり立つペニスから手を離して、母親のオマンコに手を伸ばした。
母親は無言のまま譲二を引き寄せた。
割れ目に届いた指先で、穴の周りをクリクリと撫で回す。
譲二は寝巻きの裾をはだけて、被さった。
母親がペニスを摘んで穴に合わせた。
根元まで嵌ったペニスを、パソコンの画面で見た男のように抜き差ししてみた。
うっうっ
生まれて最初の譲二の精液が、母親の子宮を濡らした。
ベッドを抜け出た母親は、タオルを温湯に浸して持ってきた。
譲二のペニスをタオルで拭く手元に、涙が滴り落ちた。