優しいジゴロ-9
9.
3ヶ月があっという間に過ぎた。
譲二が、寿司学校を卒業した。
卒業祝いを兼ねて、譲二が腕を見せたいと知り合いのすし屋のカウンターを借りた。
鉢巻に白い仕事着を着て、カウンターに立つ譲二は中々堂にいっていた。
「格好は一応プロらしいわ」
マグロから始めて一通り握って見せた。
「礼子さん、何ニヤニヤしてるんだい?」
「だってえ、譲二さんの握るハマグリ見てると、共食いするみたいで切ないわ」
「あはははァ〜、冗談は別にして、判定はどうですか?」
「一寸ぎごちないところもあるけれど、合格よ。とりあえず店のメニューに加えて、先行き寿司カウンターを作ってもいいわね」
「今夜は、コンドーム無し、抜き身でやらしてくれないか?」
「それって、プロポーズの積もり?」
「今日限り、ジゴロは足を洗う。包丁一本、寿司職人になって若女将のために働く。マラ一本、礼子命で勤めさせてもらうよ。女はげっぷが出るほどやらしてもらったから、もう生涯浮気はしない」
すっかり馴染みになった譲二のベッドに、二人は重なった。
夜間の寿司学校通いで、譲二のジゴロ稼業は開店休業が続いて、男根は疼きに疼いている。今日の日を待ちわびた礼子の股間も、濡れに濡れている。
唾でぬるみをつけた亀頭が膣口を潜ると、肉棒は一気に根元まで嵌った。
(抜き身でやるのはお袋以来だな)
竿師になって以来、ずっとコンドームを離さずに来た。もう病気の心配もないし、子供は早く欲しい。
礼子の膣に納まった男根は、ヒクヒクと脈を打って、膣襞を刺激する。
「いいわ〜やっぱり違う、この微妙な感触〜、早くイッチャいそう」
「いいね〜いいねえ、しっくりと根元まで嵌って、礼子の粘膜に包まれて、もう蕩けそうだよ」
「鈴口が子宮に嵌ったぁ〜出すよ〜だすよっ」
「出して〜だしてえぇ」
「赤ちゃんが出来てもいいね」
「いいの〜いいのよ〜譲二の赤ちゃんが産みたいっ」
脳を覆っていたピンクの霞が、うらうらと薄らぎ始めた。
礼子は、気だるい腰を両手で支えた。
(よかったあ〜)
責め立てる譲二の男根を、負けじと迎え腰で受け止めた。
子宮からクリトリス、下腹から臍を通って広がった悦びが、首筋から脳天に達して意識が遠のいた。
覚めやらぬ意識の遠くから、ナースの呼び声が耳にくぐもる。
「おかあさん、おめでとうございます。元気な男の子ですよ」
さっきまで、譲二のベッドでヨガっていたのに、なんでもう赤ちゃんなの???
ナースの差し出すお包みを開いた。
「あらっ〜譲二さん」
譲二そっくりな顔をした赤ん坊が、ニコニコと礼子を見つめている。
(ごきげんよう)