優しいジゴロ-8
8.
土曜の夜は、礼子の独り占めになった。
譲二が礼子ばかりを指名するので、他の女達から苦情が出たが、決めるのは俺だと言って譲二は意に介さなかった。その代わりウイークデーの仕事が増えて、収入は増えた。
「譲二さん、この頃、一寸疲れてるんじゃない?」
「うん、一寸忙しくてね」
「貴男の仕事に口出すつもりは無いんだけど、値上げをしたらどうなの、単価を上げれば、数が減っても収入は減らないでしょ、あなたが皆に話し難ければ、あたしが取り仕切ってあげるわよ」
「お前はオマンコもいいけれど、頭もいいんだなあ」
「何よ、私のオマンコがどうなのよ」
「絶品だよ、普通日本人は下付と言ってな、穴の位置が低いんだ。だから枕を尻に敷くなんて話も出てくるんだけど、お前のは上付きだから、そんなことをしなくてもしっくり来るんだ」
礼子は、ショート:3万円、オーバーナイト: 5万円、ホテル代別。前払い、予約制を常連の女客に告げた。ウイークデーは概ね客二人になるように按配した。
それでも疲れる時は、土曜を一回飛ばして次に備えた。
馴染みが深まるにつれ、譲二が他の女と寝ることに不快を募らせていたので、回数が減って幾らかほっとした。
この頃には、見栄を張ってホテルを使うことは無いと、譲二は礼子を自分の部屋に誘った。
自分がオルガスムスすることで満足していた礼子は、譲二が射精をしていないことに気がついた。
口ではイクイクと言っていても、ペニスの動きが伴わない。射精の切羽詰った怒張はなく、イッタ後も抜くまで固いままだ。捨てたコンドームを見ても、中に精液が溜まっていない。
週に何回も女を抱くのに、そのつど射精をしていたのでは身が持たないのだろう。
オーバーナイトの土曜日は、翌日の日曜日は休みなので、皆が起きるまでに帰ればいい。
「ねえ、譲二さん、今日はあたしと一緒にイってよ」
二度のオルガスムスに続いて、目一杯に広がった雁首に膣を扱かれ、膨らみきった亀頭に子宮をくじられ、譲二の激しい抱擁で礼子は昇天した。外したコンドームには、精液が満ちていた。
「譲二さん、貴男いつまでこの仕事を続けるつもりなの?」
脳を覆っていた混沌が薄らぎ、戻りつつある意識の中で、礼子は思っていたことを口に出した。
「いつまでと言われても、俺には他に能が無いからなあ」
「そんなこと無いわよ、寿司職人になる気はない?、あなたは手先が器用だし、女の肌と思ってネタを扱えば、結構いい職人になるような気がするんだけれど・・・そしてあたしの店で働いてくれるなら、力になれるわ」
「この歳になって、そんなことできるかなあ?」
「今は3ヶ月で寿司職人を育てる学校があるのよ、海外で寿司職人になる人が、大勢居るそうよ」
「お袋が熱海で、若い芸者に三味線を教えているんだ。早く結婚して孫の顔を見せろなんて言ってるけど、このままじゃ顔出しも出来ないからなあ」
礼子に尻を叩かれて、譲二はすっかりその気になった。
早速入学してみると、性が合っているのか喜んで学校に通う。礼子の予想が当たってメキメキ腕を上げた。