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優しいジゴロ
【熟女/人妻 官能小説】

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優しいジゴロ-2

2.
 高校卒業まで母親との関係が続いた。
 世の中はバブルに沸いて、芸者の収入もよかったし、パトロンも気前がよかった。
 母親はしっかりと金を貯めていて、譲二に大学に入るように勧めた。

 勉強の嫌いだった譲二は高校を出ると、家を出た。
 イケメンで花街育ち、子供のときから街の女に可愛がられていた譲二は、早速クラブの女のヒモになり、用心棒まがいの仕事でぶらぶらとして過ごした。

 マラ一本で次々と女を誑かして、四十歳も過ぎると地元では一端の竿師(女のヒモで生活する男)になっていた。

 バブルが弾けて、世の中が一変した。
 不況のあおりで熱海を訪れる客が激減、旅館は次々と閉館を余儀なくされ、歓楽街は火の消えたようになってしまった。
 歓楽街の女を食い物にしていた譲二も、そのあおりで干上がってしまった。

 それでも東京の銀座、渋谷、新宿、池袋などの繁華街は、そこそこに賑わっている。さすがに世界の東京だ。
 夜逃げ同然に上京して、なんとなく肌の合いそうな池袋に身を落ち着けようと、地元の守山組組長に仁義を通した。
 頼ってこられた守山組長もむげに追い払うわけにいかず、とりあえず客人として様子を見ることにした。放り出して、地元で悪さをされては困る。

 土地勘の無い街で鴨にした女は、子持ちのバーのマダム。得意の手練手管で早速ものにしたが、何せ常連客頼りの零細バー、熱海で羽振りを利かせていた頃の様な金にならず、むしゃくしゃしては撲る蹴るの乱暴を働いてしまった。
 そんなある日、突然乗り込んできた男に「俺の女に手を出すな!!!」と撲り飛ばされてしまった。
 やくざと言っても逸物頼りの軟派稼業。手も足も出ない。
 夜が明けると、組長から呼び出しが来た。さて、指の一本も摘めさせられるかとおどおどと事務所に出頭した。

「オイ、そこに座れ」
「お前なあ、いまどき暴力は駄目だ」
 戦後の焼け跡の露天商から叩き上げた先々代の組長以来、地元の商売人と組は持ちつ持たれつの間柄。
「お前を撲ったのは地元の福祉事務所の所長で、俺の餓鬼の時からのダチっこだ。学生時代は空手部の主将をやっていた、とてもお前の手に負えるような相手じゃない。組の者にはよく言い聞かせているが、羽目を外すものは奴がぶん殴ってくれる」
「地元の人を泣かせチャ駄目だ、そこんところをよく弁えてくれ」



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