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月が闇を照らす時
【コメディ その他小説】

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禁断のデュエルの時-2

「あまりよくは知らないけど… 一つだけ言えるのは。広樹さんの体内に投与されているのがプロト100と言うことだけ」
「プロトタイプと言えば50年ぐらい前に作られた物のはずだ。 しかも最も強力なナノ・マシーンが何故、好野の体のなかにあるのだ? もっと前に誰か別の者に投与されているのが当然のはずだ」公園の街灯が灯った。 スポットライトのように私たちを照らした。
「だから詳しい事はわからないの…… ただ…」
私は少し迷った、これは言っていいのか。 広樹さんは気にして無いみたいにしてるけどやっぱり…
「ただ… 何だ? 私はもうこの事件に巻き込まれているのだ。甚だ不本意ではあるが… だから知る権利はあるはずだが」
そうなのかもしれない。でも…
「緑」
「広樹さんは養子らしいの…」
凪ちゃんは眉一つ動かさずに聞き入っていた。
「広樹さんの本当の両親は広樹さんを今のおじさまの所に捨てていったんだって… だからプロト100を何故投与されたのかを知っている人はいないの…」
「確かに。ナノ・マシーンの投与は親立ち会いのもと行われる義務があるからな。 では好野がプロト100の事に敏感になるのは本当の両親を探すためか?」
私は軽く首を振った。
「違うわ。 広樹さんが言うには自分が何者なのか突き止めたいらしいの。 小さい頃から周りの人達から腫れ物を触るみたいに接しられていたから…」
私は言い終わって後悔した。やはり言うべきではなかった。
「ではあれか? プロト100の情報を集めるためにドミド退治をしているのか?」
「そう。 私もビックリしたわ。 中学の時に急にこの仕事に誘われた時は。 でも、あの時の広樹さんの輝いた顔はステキだった」
あの時、私は何て答えたんだっけ。 拒否ではなかったのだろう、でなければ私はドミド退治などしていない。
凪ちゃんはふっと笑った。
「そうか。 好野は幸せ者だな」
凪ちゃんはジュースを開けて中を一気に飲み干した。
「私も力を貸したくなった。 今回だけでなくな」
凪ちゃんはジュースが入っていた物をゴミ箱向いて投げた。見事に外した。
慌てて拾い再びゴミ箱に、今度は投げなかった。
「で今回は私は何をすればいい? 好野のサポートか?」
「直接広樹さんに手を貸すんじゃないの。 さっきも言ったと思うけど広樹さんの能力はカオスが爆発的に増えるの、だからそれによって出てきたドミドを退治するの」
「わかった。 では学校に戻るぞ。 色々準備も必要だしな」
私達は先ほど来た道を引き返した。


〜続く〜


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