卑劣で最低な男-11
(大体、先にアソコを見たり、おっぱいからキスするって何?初めは口からでしょ!)
改めて怒りを覚えた真希の唇は、さらにぎゅっと堅く閉ざされた。
(何だ?)
触れた唇に、とんでもない力が漲っていることを怪訝に思った潤が、真希の様子を見るために一旦重ねた唇を離した。真希の可愛い口許が真一文字に閉ざされているのを見た潤は、自分を拒否する真希の頑なさに苦笑いを浮かべた。
(我慢比べだな)
今さら落胆しても仕方がない。潤は慌てずに優しく舐めながら、舌先で真希の唇を割ろうと何度も試みた。
(一度もデートしてないのに、いきなりディープキスなんてあり得ない!)
そう思っていた。しかし、両頬を優しく手で包みながら、何度も試みる潤の執拗さに、真希はついに根負けしてしまった。それに真奈美から受ける甘美な下半身への刺激に、口を閉じ続けることも困難だった。
少し開いた口から、吐息を洩らした瞬間、潤の舌先がスルリと滑り込んできた。真希は一瞬躊躇したが、そのまま潤の舌を受け入れた。
(最低男なのに…卑劣なのに…甘くて…とろけそう…)
普段、オナニーしていた時に何度も妄想した潤とのキス。今、それを実際に経験した真希は、その時に感じていたキュンキュンしたときめきを甦らせていた。
(さ、最低男なのよ…不覚だ…でも…あぁ…潤くん…)
心の葛藤はどんどん薄れ、真希の方からも舌を絡め始めていた。真希の意識は、潤の舌の動きと2人混ざり合った唾液の味に集中し、もう真奈美から受ける下半身の刺激すら、その意識の中では薄らいでいた。それもそのはず、興奮した真奈美は自分も娘からの快感を与えてもらいたくなり、それを頼むために、真希の股間から顔を上げていたのだ。
「真希、代わって」
真奈美のその言葉で、真希にかかった魔法が解けた。
(ふう…危ない危ない。こいつは最低男)
真希は潤の口から絡めていた舌を抜くと、今の感覚を拭い去るように口許から流れた2人涎を拭った。真希は拭った意識が戻らない内に、そのまま真奈美と交代するためにソファから立ち上がった。