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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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二度目の聖夜-4

もしも…、私が風馬君とではなく佐伯君と付き合っていたら、あの時期彼が向こうの青森で兄夫婦と色々あって忙しくてもお互い迷惑だからと言って別れる事もなかったら。

「へぇー、お兄さん達と食事に行ったんだぁー。」
「そうなんだ、ちょっと洒落た所でさぁー、優華さん何てすっごいおめかししてさ。」
「まぁー折角三人で食事が出来るんですもの、ちょっとは気合入れるわ。」

相変わらず幸せな気分にしてくれる彼との電話。

「この時間帯だと風呂あがった頃か。」
「まぁねー♪」

毎回風呂あがりに電話するとは限らないけど。

「そっちはどうだ?」
「うん、この前三人で星を観に行ったんだ。」
「三人って君と蓮と巴でか?」
「少し寒かったけどね。」
「ずりぃぞ俺をのけ者にしてぇー。」
「ふふ、しょうがないでしょ?貴方は一緒に行きたくても無理なんだから。」
「…そうだよなぁー。」

星を観に行く為だけに新幹線を飛ばす訳にはいかない。

「にしても俺たち何だかんだ言ってどうにかなったよな。」
「え?」

兄夫婦のトラブルやらで忙しくて中々電話が出来ず一時別れようと思った事もあったが。

「そりゃー忙しいのなんて一時だからね、少し経てばどうとでもなるよ。」
「あぁ!こんな事で俺たちの愛は引き裂かれないって事だな!」

得意気な声が電話越しに聞こえる。

「…私達、将来どうなるんだろうね。」
「そうだなー、落ち着いたら迎えに行こうとは思う。」
「無理しないでよ?」
「わぁてる!色々と準備も必要だしな。」

私はこの人と結婚する…。

「でも少し我儘を言うのなら、直接会いたいな。」
「柊さん…。」
「元気な顔、この目で見たいなぁー。」
「……。」

口数が減り出した彼。

「あっ御免ね変な事言って、大丈夫だよ!こうして毎日電話するだけでも楽しいから。」
「……じゃー俺、そろそろ寝るわ。」

そう言って電話は切られた。


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