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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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二度目の聖夜-3

「若葉!若葉!」
「っ!」

気が付くとそこは教室、巴ちゃんが私を起こしてくれたそうだ。

「次、体育だから移動しないと…。」
「……。」
「若葉?」

心配そうに私を見つめる彼女、思わず。

「っ!ちょ、どうしたの!」
「うっ…うう。」

巴ちゃんに夢を事を洗いざらい話した。

「あっははは!そりゃーなんつーか災難だね。」
「……。」

廊下で肩を並べ体育館へ移動しながら例の悪夢の話で盛り上がる。

「笑い事じゃないよー、本当に胸が締め付けらる思いだったんだから。」
「でもそういうのってよくあるよねー。」
「とても寂しかった…、あの時巴ちゃんとあの店で会ってなかったら、きっと。」
「まーたその話?だから言ったじゃん、それでも違う所で会うって。」
「うーん。」

自信なさげな私を見て、軽く抱きしめる。

「大丈夫!アンタは一人じゃないし、ずっと親友だよ!私が保証する!」

不意に見る夢、それは不快な悪夢でしかないけど、それで教訓を得たりありがたさを実感する場合もある。

「どーしたのー?人前で抱き合っちゃってぇー?」
「一条君!」

思わず名前を口にした、普段はそこまでしないのに。巴ちゃんが彼にも訳を話し。

「あっはははははははぁ♪柊さんってピュアだよねー。」
「笑い過ぎー。」
「本当だよー。」

巴ちゃんより達悪い、でも彼らしい。

「ずっと、何があっても私と友達でいてよね?一条君も。」

こういう悲しい夢を見ると情緒不安定になるものだ。

「うん!こっちから願いたいくらいよ。」
「勿論だよ!悪魔で男友達としてね。」
「うんっ!」

冷たく凍った心が嘘みたいに溶け出した気分だ。


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