お土産-4
男の名前は、森下 幸次 名刺を見ると、会社の経営者みたいです。
マサは、由美に良いだろう?と言い、男と話しながら、歩き始めます。
5分も歩かない位で、BARに入りました。
改めて、自己紹介して来ます。幸次は、不動産関係の会社を営んでるそうです。
マサも自己紹介して、3人で飲み始めました。
由美は、怒ってるのか、あまり話しません。
【奥さん、本当にすみませんでした、お二人の事を、後ろの席から見ていて、ついつい】
(幸次さんは、良くあのような事を経験されるのですか?)
【それ程経験してる訳では無いのですが、色んなご夫婦に頼まれて、行う事は有ります】
【お二人こそ、良くあそこへ行かれるのですか?初めてお会いしましたけど】
(いや、初めてです。私も女房も)
【ええっ、初めてなのにあんなに大胆に、じゃあ私は凄いラッキーだったんですね】
【まさかこんなに可愛い奥様が、許して頂けるとは思わなかった、でも長年の経験で、御主人様に合図をすると大体解るんですよ、性癖が】
(そうなんですか、これは参りました)
【でもいい感じの御夫婦ですね、羨ましいです。こんな素敵な奥様なら、誰だってお願いしたいですよ、可愛いのに色気も有って、元モデルか何かやってらっしゃったんでか?】
男の巧いセリフに、由美も満更でも無いようです。
更に、由美を徹底的に褒めて、完全に幸次のペースになってます。知らない内に、由美も話に加わって来ます。
<幸次さん、奥様は?>
【結婚はしていましたが、私に付いて行けないと言われ別れました】
<まぁ、まるで誰かさんみたいね>
マサの方を見て、由美が言いました。
【お二人は仲が良いのですね、結婚されて何年経つのですか?】
<実は、正式の夫婦では無いんです、知り合ってからは長いのですが・・・色々と有って・・・>
【そうですか、それ以上は聞かないようにしましょう。お互い大人ですから】
(でも幸次さんは勇気が有りますね、私なんか無理ですよ、あんな大胆な事は)
【長年の経験ですかね、普通は出来ませんよ、下手すれば警察行ですから】
そんな事を話しながら、時間が過ぎて行きました。
【じゃあ、今夜はこの辺で、失礼させて頂きます。もし良ければ、名刺に電話が書いて有りますので、御連絡頂ければ嬉しいです。それでは】
幸次は会計を済ませて、出て行きました。
(由美、俺達も帰るか)
そう言って店を出て、家路に着きました。
雅代さんと言い、幸次さんと言い、とんでも無いお土産を置いて行ったものです。
マサの心の中では、幸次とは、確実に再会すると思いました。
由美の心の中にも、何故か予感めいた物を感じていました。