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【学園物 官能小説】

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堕ちていく身体-8

少しだけ芦屋の目が見開かれる。一方、当の友美もまた驚いて顔を上げて飛坂の方を見ていた。


「……相馬さん、さっきからずっと俯いたままで、苦しそうだし、息も荒いし、それに汗だって……。先生、保健室連れて行った方がいいと思うんですが」


飛坂の心配そうな表情に、芦屋は慌ててポケットの中のリモコンのスイッチを切った。


ようやく快楽拷問から解放された友美だが、今の状況を理解すると身体がギクリと硬直した。


クラスのみんなが友美に注目しているのである。


ローターによるクリトリスへの甘く痺れるような刺激を受けて、イキそうになっていたことがバレてしまう、そんな気がした。


冷や汗が友美の背中を伝い落ちる。そして走ったわけでもないのに弾む息。


友美の心の中は焦りでいっぱいになっていた。


「な、相馬。お前身体の調子悪いんだろ。朝からなんかおかしかったし……」


何も知らない飛坂が、心配そうな顔をこちらに向けるけど、軽くパニックになっている友美には何も言えなかった。


「そうか。飛坂、それじゃあ悪いが、相馬を保健室に連れて行ってくれるか? 俺はホームルームがあるから、後で様子を見に行くが」


芦屋は、淡々と飛坂にそう頼んだが、その心の中は友美同様焦りがあった。


少し調子に乗り過ぎた、芦屋はそう思っていた。


いつものポーカーフェイスの芦屋だったが、身体はいつの間にか汗をシットリとかいていて、心臓もバクバクと脈を打っていたのである。


スリルは快楽をさらに高める為の媚薬になるが、一歩間違えれば身の破滅に繋がる事もある。


まさにそれを身を以て理解した芦屋は、急に今までの行為を平然としてきた自分が恐ろしくなった。


「それじゃ、相馬を保健室に連れて行って来ます」


飛坂は芦屋に軽く頭を下げてから、友美の肩を叩く。


友美になんて声をかけたかはわからないが、「立てるか?」みたいな事を言ったのだろう。


彼女は小さく頷いてから、ゆっくり立ち上がって飛坂に支えられるような形で、静かに教室を出て行った。


途端に教室の中が再びざわめき始める。


その大半があの二人を冷やかすようなニヤけた表情を浮かべていた。


一番前の席に座る生徒が、隣の生徒に、


「ね、なんかあの二人いい感じじゃない?」


と、ささやく声が聞こえてきた。


(いい感じ、か)


飛坂と友美の後ろ姿は、まだまだ幼い少年と少女のそれ。


そんな二人の後ろ姿に、芦屋は自身の胸がチクリと痛んだことを気付かない振りをした。






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