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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第2話『性的ビフォー・アフター』-2

 ……。



『性的ビフォー・アフター』

 一面真っ白な部屋で、回転盤に乗った中年の女性が、全裸のまま直立している。 回転盤がその場で回り、女性の正面、側面、背面と、隅々までカメラが映す。 女性は手を脇につけ、垂れかかった乳房とくすんだ陰部を晒しながら、正面をキッと見据えていた。

 ナレーションが入る。

『メアリ・アン、35歳。 脂肪吸引、余分皮脂除去により、ウェストを20センチ縮めました。 整形目的は『異性にとって魅力的な容貌を取り戻したいため』。 運動による脂肪燃焼や食事節制の努力を放棄し、肉体整形によって腰のくびれを作ったといえます。 整形費用、2000ユーロ。 これは夫の給与から無断で引き出したものです』

 ここで脇腹、下腹部がアップされる。 そこは肌が引きつっており、脂肪吸引の施術跡と推測される。

『ここで【匠(たくみ)】への依頼を見てみましょう。 本日1人目の【匠】は遺伝子操作の達人、アワジ国立医療センターのドクター・ナカマツ。 外見に拘るメアリに、より『魅力的で』『世間の目を惹く』肉体を提供すること。 以上を2000ユーロの予算内で実施するため、【匠】は『肌の蛍光発色』を施術しました』

 フッ、画面が切り替わる。 今度は薄暗い灰色の部屋だ。 先ほどの女性が回転盤に乗っているのは変わらない。 女性の身体は、肌が仄かに光っていた。

『……なんということでしょう。 『蛍光色素生成回路』を皮脂細胞に組み込むことで、誰からも注目間違いない『光る肌』を実現。 色素を励起するために大量のカロリーを消費するため、黙っていても体脂肪が減少する効果で、あっという間に体重も減少。 ただし常にカロリーを補充するため、1日10食、5度の間食が必要になりますが、食が娯楽なメアリにとって何も問題はありません』

 メアリのお腹の縊れは最初の映像より明らかに強調されている。 あばら骨や腰椎が浮き出た体の様子は、けれども『縊れ』というよりは『骨ばった』形だ。 目許も窪み、乳房も萎み、全体にふくよかで健康的だったメアリの身体は、仄白く輝くスラリとした痩身に代わった。 美しさは否定しないものの、その美しさを裏書きするのは不健康さに他ならない。

『ただし10食を消化するには、通常の内臓では不十分です。 そこで【匠】はメアリの小腸の柔毛細胞を2倍に増やし、肛門括約筋を基底部より切除。 これでメアリの身体は、食べた栄養をすばやく消化し、排泄物が溜まり次第自然落下させるようになりました』

 ポトリ、ボトリ。 メアリのお尻から黒い塊が落下する。 メアリからは、気張った様子は全くうかがえなかった。 ナレーション通り、もはや便をコントロールすることは出来ず、食べた分だけすぐに排泄する身体にされたのだ。 ここで画面が『メアリの日常のVTR』になる。 モニターに映ったメアリは大量のご飯を食べていた。 大量のシリアルを掻きこみ、同時にオートミール、パン粥を飲み干す。 食事が炭水化物に特化しているのは一目瞭然で、全身の発光による膨大な消費カロリーを補うためとはいえ、拷問と呼べるレベルの量だ。 しかも椅子は使わず、立ったまま食事するメアリのお尻にはポッカリと黒い孔が開き、定期的に緩い便が現れては落ち、落ちては現れる。 つまりメアリは、延々と便をひりながら食事しているのだった。 約30分間の食事中にメアリが平らげた穀物は、炭水化物に換算して凡そ5キロ。 股座からひり放った大便もまた、ちょうど5キロ。

 これだけの食事を経て、メアリは得るカロリーのストックは『30分間の自由行動』だという。 つまり30分間食事なしで活動すると、発光によりエネルギーが尽きてしまい、体脂肪の減少、ひいては生命活動の停止がやってくる。 ゆえに30分後には再び大量の炭水化物摂取と、たったままの大量脱糞が待っている。 もはやメアリの人生は、食事、そして食事しながらの脱糞によって維持される、儚い発光のみといってよい。

『メアリはトイレに行く必要もなくなります。 歩きながら、或は運動しながらオムツに脱糞し、その分すぐに食事で補充できる新しい身体。 【匠】の手による新たな身体で、新しい人生を歩んでください』

 涙を零しながら食事を頬張るメアリの横顔がアップされ、ナレーションと共にフェードアウトした。





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