無謀な決断-3
今朝から感じていたこの痛み、ただの腹痛か何かじゃない事は分かっていた、念の為検査薬をで調べたら案の定思った通りで。
「…こんな事、アンタの親、てゆーか大人に知られたら大変な事になってたよね。」
「うん、どうにかその事も上手く事が運んだみたい。」
「まっ、この彼が私の家にアンタを連れてってくれたからね。」
「だからデート前に苦しんだ時「何かあったら巴ちゃんの家に…」って。」
「そういう事、家に戻っても良いけど、親が、特にお母さんは気づきそうだし。」
SEXもほどほどって訳か。
「でも驚いたよ、まさかこんな事に、ううっ。」
「風馬君…。」
妊娠、何て男性の風馬君には頭で知ってたいても実感沸かないでしょうね。未だあたふたと頭を抱え。
「男ってなんでこういう時冷静でいられないんだろう…。」
「まぁ仕方がないよ。」
でも彼をそこらへんの人と一緒にしないで欲しい、彼も徐々に落ち着きを保ち。
「ごめん取り乱して、一番辛いのは君なのに。」
「そうそうー。」
顔をきりっとさせ、私たちを見つめ、言う。
「それで?これからどうする…、本来なら喜ばしい事態何だろうけど、それにはちょっと早すぎるだろうから降ろした方が君の為にも周りの人の為にも懸命だと思うけど。」
「私は…。」
「大丈夫だよ、君の考えを僕は尊重するよ。もし、生みたいって言うならそれはそれで構わない、二人で頑張るだけだから。」
「風馬、君。」
包み込むように落ち着いた笑顔で私を見つめる、ホント優しくて頼りになる。
「愛の逃避行でもしちゃう?」
ふざけてるのか、いや彼女の事だから明るく接してくれてるんだろうけど。
「…風馬君はどう?…私と君との子供、欲しいって言ってたけど…。」
「欲しい。こんな状況で不謹慎だけど君の妊娠が分かった時、一瞬嬉しいって思った。」
「……。」
「でも!現実を言えばやっぱり早すぎる。」
「んだんだぁー、どこぞのドキュメンタリー番組じゃないんだし。」
「ちょっと巴ちゃんは黙ってて。」
「…今生んだって、未成年の君に体が耐えられるかどうか分からないし、僕らの子が生まれても僕らはまだ学生だし、母さんや君の親とか周りの困惑だってあるし、そこまでして早く君と僕の子供は見たくないし…。」
もっともな意見だ、けど私は…。
「ごめん二人とも。」
「えっ?」
「……私、生みたい。」