衝撃の放課後-6
一歩一歩踏み出す度に、リノリウムの床にゴム底が擦れる音が鳴る。
今友美が歩いている長い廊下を突き当たって右に曲がった一番奥、そこが美術室だ。
そこは北側に位置しているせいか、空気自体が寒々としていて軽い悪寒が走る。
それでも身体は何故かじんわりと汗ばんでいた。
きっと、そこにいるに違いない。
息を殺し、気配を消し。
そうして美術室のドアの前に辿り着いた。
やはり、南京錠そのものがないこの部屋は誰でも侵入できる。
今の所、話し声とか人の気配は感じられないその部屋に入ろうと、引き戸を数センチ開けた所で、その手が止まった。
「あっ……ああっ……」
消え入りそうな高い声。
だけど、その日常生活とは異質な声色は、友美自身身に覚えがあるものだった。
オナニーしている時に自然と出てしまう鳴き声。そう、女の喘ぎ声だ。
「あんっ、あっ、ああっ」
その鼻にかかった高い声に、すぐに脚の間が熱くなる。
媚びるような甘い声色だけど、この声の主は友美もよく知っていた。
「あっ、た、猛! いっ、いやあ……」
「奈緒、相変わらずエロいな」
ボソボソと小声でしている会話も、この静けさではハッキリ聞こえてくる。
友美の一瞬の違和感は、ようやく点と点から線に繋がった。
奈緒と野々村は、この美術室で一緒にいたのである。
引き戸の小窓からそっと中を覗けば、正方形型の作業机が9つ並んだ内の一番手前、そこに奈緒が寝かされていた。
ブレザーとブラウスのボタンは全て外され、ブラはたくし上げられて顔に似合わない豊満な胸が窮屈そうに露わにされ。
「あっ、ああんっ……! そん……なに舐めない……で……」
野々村によって、はしたなく両脚を開かされた格好で、その中心を舌で舐られている奈緒。
二人が一緒にいるとは疑っていたけど、まさかここまでしてるなんて……。
目の前の光景に、衝撃を受けながらも友美は目が離せなかった。
そう、奈緒と野々村はセックスをしていたのだ。