愛を満たす初夜-6
「風馬ー?まだ起きてるの?」
「お帰りなさい。」
「お邪魔しております。」
「っ!?若葉ちゃん、一体どうしたの!?」
目を丸くして驚くおばさん、そこで彼が事情を説明し。
「そう、でもあまり遅くならないでね。」
「はい。」
それだけ言っておばさんは部屋を出た、首を傾げてた事から「なぜ迎えの車もお願いせずこんなに夜が老けるのか?」そんな疑問があったと思うが、おばさんはそこまで気にはしないようだ。
「さて、本当にそろそろ帰った方が良いよ、雨もだいぶひいてきたみたいだし。」
「そうだね、ちょっと電話してくるわ。」
そういって帰る支度も兼ねて下に共に降りて。
「うん、何にもないって、うん、ごめんねありがとう、じゃ宜しくね。」
「風馬さぁー。」
「何?」
「お母さんが帰ってくるまで何してたの?二人で。」
「っ!べ、別に何でもないよ!」
親子の会話。
「すぐに迎えにくるって。」
「そう。」
楽しい事ってどうしてこうすぐに終わるんでしょう、今は何かお祭り後って感じだ。
「同窓会どうだった?」
「楽しかったよー、昔の仲間と一杯語り合ってさぁー。」
「良いですねぇー。」
「ふふ、私が昔好きだった彼とも再会して、いやーあれは運命感じたなぁー。」
「そんな人居たんだ。」
「当然よ、聞いたら今も独身で、少しときめいたなー。」
おばさん、何だか目がキラキラしてる。
そこへインターホンが鳴り、お爺ちゃんがやってきて。
「いやーどうもお世話になりました。」
「いいえーとんでもない。」
「所でおめー彼と何してたんだ、こんな夜遅くまで。」
「だから何でもないって。」
「どーせエッチでもしてたんだべさ、ん?」
お、お爺ちゃん!!
私と彼はさらっとしたこの発言に凍り付く。
「んまぁー良いじゃないですかぁー、若いもんには若いもんの世界もありますし。」
「まぁーそれもそうだな、あっはっはぁー!」
んもぅーお爺ちゃんったらぁー。
「じゃまたね若葉ちゃん。」
「うん!色々とありがとうね。」
こうして私は彼に空白の隙間を充分過ぎるくらいにもらった。
…それが本当に貰い過ぎて大変な事になることも知れず。
次回、51話に続く。