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夜這い
【熟女/人妻 官能小説】

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夜這い-1

1.
 「夫婦そろって来てください」と手術担当医から言われた。手術前の説明と患者の手術承認の手続きだという。
 「手術部位の付近に神経が通っているので、十分に注意をしますが、術後尿漏れや夫婦生活に支障が生じる場合があります。緊急と言う状態ではないので、ご夫婦でよくご相談いただいてご返事ください」

「考えたってしょうがないな、なあお前、もういいだろう?」
何がもういいのか、考える暇も無いうちに夫は書類にサインをした。

 手術が終わって、案の定、勃起不能が発生した。夫がもういいだろうといったのは、もう夫婦生活は無くてもいいだろうということだったのだ。

 命を取り留めたのだから、文句を言える立場ではない。当の夫は、癌の恐怖からとりあえず解放されて、セックスのことなどすっかり忘れてしまったようだ。

  元々セックスに淡白だった夫は、さばさばした顔をして仕事に復帰をした。医者は必要ならば、バイアグラなど対症療法があると話してくれたが、夫は意に介する様子は見せなかった。

 検査から手術、術後の手当てと、忙しさと不安に気を取られていた間は美佐子も忘れていたが、ようやく生活が日常に戻ると、失ったものの大きさに愕然とした。

 美佐子にとって、セックスは退屈な結婚生活を続ける最大の楽しみであり、セックスの無い夫婦生活は、天婦羅の乗っていない天婦羅そばのようなものだ。
 持って生まれた素質と言うのか、セックスに淡白な夫と異なり、夫婦生活が長くなるにつれ美佐子の性感は強くなり、しばしば夫が辟易するほどであった。

 営みがなくなり、寝付かれない夜は、今までは気にならなかった夫の鼾が気になった。夫に言うと、それならと言って美佐子のベッドを階下に移した。静かになると、身体の疼きが余計に感じられて、独り乳房を揉み、股間に指を伸ばして慰める夜が続いた。

 そんなある夜、ふと目を覚ますとベッドの脇に人影が立っている。まさか夫が来る筈もないと息を殺していると、その人影が息をひそめて
「ご心配なく、危害は加えません、一寸そこに入れてくれませんか?」と耳元に囁いた。
「あなた何方ですか?」
「夜這いです」
「はあぁ?」
「夜這いです、ご存知ありませんか?」
「ええまあ、あの夜這いですか?」
「ハイ、その夜這いです」
「何で又、私のところへ?」
「お寂しいんでしょう?私はテレパシイで、分かるんです。そこへ入れていただければ、何をしに来たかお分かりになります」

 


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