夜這い-11
12.
クリスマスが近づいて、由紀夫の課でも会社の近くのレストランでパーティを開いた。
由紀夫が残業をしなくなったので、課員も定時で帰宅をするようになった。
かつての疲れきって淀んだ雰囲気は一変し、最近は課員の顔色も生き生きとして、業績はむしろ伸びてきた。
「課長さんお酌をさせて下さい」
友香が徳利を持って脇に座った。
今まで女性の課員などは、特に気にして見たことなど無かった。
フワ〜と、心地よい香りが鼻先をかすめる。気のせいか、何かにつけ友香が由紀夫の気を引く素振りが最近感じられた。
去年結婚をして、由紀夫も披露宴に招かれた。
なぜか、半年で結婚は破綻、離婚をした。
披露宴に出席をしたのでそれなりに気にしていたが、仕事にかまけ女性課員の私生活にまで気を回す暇は無かった。
妻とのセックスがなくなり、盗聴で知った妻の赤裸々な性生活を知って自分の無知さ加減が身に沁みる。同時に、刺激をされて性欲の復活の兆しが明らかになってきた。
「ああ、有難う、離婚しちゃったんだねえ、何があったか知らないけれど、僕に出来ることがあったら相談にのるよ」
「ええ、有難うございます。それじゃこの後、席を変えて私の愚痴を聞いて頂けます?」
友香はかなり酔っていた。
課長の立場上、由紀夫は酒の量は控えていた。家まで送ろうとJR大塚駅で電車を降りた。
腕に寄りすがって歩く友香の胸元から、香水に混じってフェロモンの匂いが湧き出てくる。
「課長さん、抱いてください。私、苦しくって・・・」
由紀夫の男根がヒクッと反応した。
駅前の路地を入ると、ラブホテルの看板が見えた。
窓口で休憩の料金を払い、エレベーターで2階に上がる。
友香はしばらくトイレに入っていたが、出てくると後ろを向いて脱ぎ始めた。
由紀夫もトイッレに入った。ウオッシュレットで亀頭と肉棒を揉み流す。
ベッドに潜り込んでいる友香の脇に、身体を添えた。
「君の愚痴って言うのはこれか?」
「だって、酷いんですよ。彼は二刀流だったんです。彼氏を作って、やっぱりあっちがいいって出て行っちゃのよ」
「そうか、そんなことがねえ、可愛そうに」
由紀夫は、友香の首を抱いて唇を吸った。
友香の胸元から、一際強いフェロモンが吹き上げてくる。