訃と夫と婦-7
「ねぇ、早く、早く触ってぇ」
一向に一番敏感な部分に手を出さない元夫に痺れを切らし望未は、とうとうおねだりをしてしまった。
結婚当時の望未ではあり得ない行動だ。ごくノーマルにコトを済ませ、子作りのためと思われても仕方ないような有様で、菜緒が生まれた後は『義務』に等しい性生活だったことを考えると、自らこんな言葉を発するなんて、天と地がひっくり返ったような衝撃を豊川は感じた。
そんな衝撃を受けながらも、豊川は冷静に太腿を撫で回した。
「ああぁぁん、意地悪しないでぇ」
望未はチンポをしごくスピードを更に速める。
(よし、そろそろいいだろう・・・・・・)
満を持し、豊川の中指が望未の花びら部分を触った。
「かはぁぁぁぁん、はぁぁぁうんっっ、すごいぃぃ」
何もスゴイことなど無いのだが、それほどまでに望未のココロもカラダもSEXに飢えている状態だったのだ。
それは溢れ出る淫汁の量がハンパでは無いことからもわかる。
滴るとはまさにこういうことだ。
待ち侘びる望未の期待に応え、クリトリスを優しく責めることなどせず、二本の指をいきなり膣口に挿入した。
「ひやぁぁぁん、うぐぅぐあああっ」
これまでには聞いたことの無い様な声を出す望未。
豊川は、掌に淫汁が伝わるのを感じた。
指をピストンするたびに、ブシュブシュとはしたない音を鳴らす望未のオマンコ。
「いやぁぁぁっん感じちゃぅん」
望未もカラダを捩らせ反応する。
(こんな望未を見るなんて・・・・・・本当にスケベな女になったんだなぁ)
空白の6年間が、望未の性回路を一変させていた事実は、目の前で喘いでいる姿を見れば一目瞭然。そこには若い男が関与していたことは間違いない。もしかすると、もっと多くの男に抱かれ、様々な性技を仕込まれているのかもしれない。
感慨深い。そう表現するのが適当かどうかはわからないが、嫉妬心を超えた感情が豊川に去来していた。
「ああぁっ、イキそう。イキそうなの」
望未は絶頂が近くまで迫ってきていると口にした。
豊川の指ピストンで、早くも
それまでの豊川であれば、いち早く絶頂まで導こうと、必死になるところだが、今日の豊川は違った。
一度ピストンする指の動きを止め、優しくキスをしながら、望未の全身を撫で回した。
(ぁはあぁぁ、なんで!?なんでイカせてくれないの?)
望未はこのままイキ果てられるものと、オーガスムスを期待していたところで、寸止めされたかのように、快楽の波を引かされてしまったように思った。
和真であれば、間違いなくこのままイカせてくれただろう。
そんな恨めしい気持ちになったのだが、それは違っていた。より深い快楽に導くための序章であって、精神的にも焦らすことで快楽効果を倍増させる『間』でもあったのだ。
優しくキスをされながら、全身をフェザータッチされ、背中をそっと撫でられると、鳥肌を超越した感覚。それは全身が蕩けるような深い快楽。
オマンコや乳首への直接的な刺激は無くても、強い快感は得られるのだと望未は思った。
そのままカラダ全体を愛撫されながら、ねっとりと舌先同士で互いの唾液を舐め取り合うような官能的なキス。
軽く触られただけでも乳首は既にカチカチに勃起し、乳輪もぷっくりと盛り上がって、産毛も逆立つほど。
「はあぁぁぁぁぁぅ」
乳首の先端を親指の腹で円を描くように弄られると、望未は溜息のような喘ぎ声を発する。
豊川は、唇を首筋に這わせる。望未が、首筋のうなじ側を舐められることに弱いことを憶えていた。
(ああっ、憶えていてくれたのね。私の好きなとこ)
望未は、別れた夫が自分のウィークポイントを忘れずにいてくれたことに驚くと同時に、心の底から嬉しく思った。
舐め方も自分が一番感じる舐め方だ。当時と舌のタッチ感、リズム、何一つ変わっていない。和真の場合は、胸や性器など、性的部分にしか興味がなかったようで、その他の部位はないがしろにされることが多かった。
だから尚更豊川の愛撫が嬉しかった。
豊川の舌による愛撫は、首筋から乳首に移っていく。
ペロペロと乳首を舐めるたびに、望未は強く喘ぎ、甘噛みすると更なる歓喜の声をあげた。
腹部を経由し、ヘソ周り、陰毛へと舌は移動し、いよいよ性器部の手前までやってきた。
もうこの時点で、数年分の喘ぎ声を出している望未は、息も絶え絶えで、陰毛越しに見上げる腹部は、大きく膨張と収縮を繰り返している。
いよいよ、オマンコとご対面。元妻のオマンコを見るのは何年ぶりになるだろうか。豊川は年甲斐もなくドキドキし始めた。
望未も元夫に自分の一番恥ずかしい部分を見られるのは実に久しぶりになる。
当時では有り得ないような濡れ方をしている女性自身を見られるのは、とんでもなく恥ずかしい。自分のオマンコをマジマジと見たことは無いけれども、もし当時と変わっているようだったらば、どう思われるのだろうかと危惧するところもある。
それよりも何よりも、今日の朝出掛けにシャワーを浴びて以来、カラダを清潔にする行為は一切していなかった。
この季節にしては暑いぐらいの日和に加え、一日中身体を動かし汗ばむ機会も多かった。脇の下や上半身は、制汗スプレーで対処はしていたが、さすがに女性器にそのものに処置を施すようなことはしていない。
いくら元夫とは言え、蒸れ蒸れのオマンコを見せるなんて、素直に出来るようなことではない。ましてやそれ以上のことなど・・・・・・
以前の望未であれば、このような状態では絶対にSEXはしなかった。キスすら拒んだだろう。
しかし、成り行きとはいえ豊川にほぼカラダを許してしまっている。
キスを交わした段階で、こうなることは予測できていたはずだが、ここまで来てしまっていることを振り返れば、恐らく心のどこかで、そうされることを望んでいたのかもしれない。