訃と夫と婦-5
豊川は望未のブラウスをたくし上げる。望未も嫌がることなどせず、されるがままに脱いでいく。
薄ピンク色のブラを外すと、望未のオッパイが露わになった。寝ていてもこんもりと盛り上がっていた胸は、張りが無くなったせいか脇の下方向に流れてしまっている。
直接触ってみると、確かに張りが無い。が、何故かそれはそれで愛おしかった。豊川自身も、勃起力が落ちたと自覚していたし、加齢による身体の衰えは仕方の無いものだと思っている。
望未も自分の崩れたカラダを見られる恥ずかしさもありながら、久しぶりに抱かれる期待感が勝っていた。それも別れた旦那に、これからカラダを愛されるのだ。
もしかしたら豊川は欲望だけなのかもしれない。でも、それでもイイと思った。40も半ばに差し掛かろうとするおばさんの相手をしてくれるのだもの。そう思いながら豊川の唇に吸い付いた。
豊川は、乱れた望未の髪をかき上げる。ここではっきりと望未の顔を見ることが出来た。
昨日、久しぶりに見た望未の顔だったが、互いにマジマジと見てはいなかった。いや、見れなかった。それは望未も同じだった。気まずくて見れなかったのだ。
はっきりと見た望未の顔は、豊川の脳裏に残っていた望未の顔と基本的には変わらなかったが、部分部分ではやはり衰えが隠せない。肌のツヤは落ち、ほうれい線もはっきりと見える。
そう長い時間見ていたわけでは無かったが、望未も自分の衰えた姿を見られることが恥ずかしいのだろう。そっと顔を背けた。
豊川は、年齢を重ねても女性には、いつまでも乙女のような恥じらいがあることを知った。
望未の胸の張りは無くなっていたが、柔らかさは保たれていた。
乳首は大きめで、小豆色をしている。別れてから極端に乳首の色が変わるはずは無いのだから、当時もそのような色をしていたのだろう。豊川自体、そんなことなど気にもせず、望未を抱いていたということだ。
豊川は、むんずと右の下乳をせり上げて、浮き上がった小豆色のいかにも熟女といった乳首をゆっくりと口に含んだ。
「あぁぁぁぅっ」
望未はカラダをのけ反らせて反応する。
豊川はそのまま乳首を舐め続ける。途端に乳首は硬く尖った。間違いなく望未は感じている。豊川との性行為を受け入れているのだ。
豊川は、望未が最初の拒否から一転して積極的になったのは、自分が力づくで手込めにしようとしたのを察知し、仕方なく屈服したのかと思っていたが、どうも様子が違う。望未自らがこの営みに乗り気なのではないかと思った。それが徐々に確信であると思えるようになった。
そうとなれば豊川も後ろめたい思いなどせず、望未のカラダを愛することが出来る。
もう10年近くにもなろうとする交わりの空白期間が嘘のようだった。しかも、営みに突入してから一言も言葉を交わしてはいない。
言ってみれば、心と心が以心伝心の如く分かりあえてるようだった。
ワイシャツを脱ぎ始めた豊川に気付いた望未は、カラダを起こし、その行為を手伝った。
豊川も一瞬驚いたが、もうこれは望未自信が自らSEXを望んでいるんだと確信し、流れに身を任せた。
望未は、ワイシャツと肌着を脱がせると、豊川の乳首をそっと摘み、クリクリと指先で遊んだ。
「はうっううっ」
思わぬ攻撃に、豊川は不意を突かれて、あらぬ声を出してしまった。
当時は、自ら攻めてくるなんてことはほとんど無かったものだが、豊川の知らない空白の時間に色々な経験をしたのであろう。嫉妬心も僅かながら首をもたげたが、それよりも積極性のました元嫁の、自分の知らない営みの世界が垣間見れるかもしれない期待心の方が上回った。
シャツを脱ぎ上半身裸になった豊川の乳首を指先で弄んでいた望未は、乳首が硬くなったのが確認出来ると、ペロッと乳首を舐めた。
「ひゃぅっ」
豊川は声にならない声を上げてしまった。
乳首攻めをされたことがない訳ではないが、はて?別れる前の望未とのSEXでそんなことがあっただろうかと考えてしまった。されてはいたのだろうけれど、あまり印象がない。SEXに対して貪欲ではなかった望未とは、本当に普通でマニュアル的なSEXしかしていなかったように思う。
それがどうだ、まだまだ序盤戦にもかかわらず、婚姻当時には見られない仕草が早くも披露され始めていた。
チロチロと蛇のような舌使いで豊川の乳首を舐める望未の横顔には、既に当時の面影はなかった。艶やかなフェロモンを出す一人の熟女が目の前にいる。
他の女にされる乳首舐めと、テクニック的にはそう変わるものではなかったが、望未がそういう行為をしてくれることに、豊川の興奮はヒートアップしていった。
このままされるがままに乳首を舐めさせていても良かったが、堪らなくなった豊川は、手早くパンツスーツを脱がせ、下着一枚の姿にさせ、望未の下半身に手をもっていった。
「いやぁぁん」
甘ったるく喘ぐ望未。豊川の乳首から離れた望未の唇は、半開きの状態で艶めかしい声を出している。
豊川が近付けると、それに気付いた望未も大きく口を開け、舌を伸ばし豊川の舌を受け入れようとしている。
(おいおい。本当にスケベになったんだな)
当時の望未からは考えられないような反応に、豊川は苦笑いしながらも、SEXを楽しむということを考えれば、願ったりだとも思った。
望未の希望通りねっとりと舌を絡める。同時に、パンティの中心部を中指の腹部分でゆっくりと撫でる。
「ふぅぅん、はぁぁぁん」
望未は、カラダをクネクネと捩りながら良好な反応を見せる。
豊川は、パンティの上からでもその部分の熱さと、尋常ならぬ湿り気を感じ取ることが出来た。既にかなり濡れていることがわかる。
自分の一番敏感な部分を触れられた望未は、勝手に股が開いていくのがわかった。
(欲しぃ)
望未は、気付くと豊川の股間を弄っていた。