来客-3
知可子は少し驚き、
呟く。
「まぁ、
会ってくれないって事は
ないと思うけど。」
「 〜っ、、、なんで?」
「だって、それだけその彼、、
ちづるに執着してるんだもん。」
「、 、、
でも、、ラインも
返事くれないし、、〜っ 」
ちづるはそう言うと、
思わず涙が滲む。
泣くことが知可子に申し訳なく思い、
袖で涙を拭いた。
知可子が言う。
「、、、。
そんなに、、。
あの さ、ちづる。
これだけは、教えて。
まさか、、 まさかとは
思うんだけどね?
絶対に!
違うとは思うんだけと。」
「〜っ、 ん ? 」
「その彼。
うちのじゃ、ないわよね?」
「、ぇ? 、、うち って?」
「、、。 健じゃないわよね?」
「 !? たけし 君?」
「、 、、どーなの!?」
「、、、。 違うよ 」
「本当!!?」
「 っ 、、うん。」
「嘘ついてないよね!?」
「 うん、、、 ?
なんで、健君だと思ったの?」
「っ はーーー。
良かったーー、、。
そう よねっ!
そんな訳ないじゃんねぇ?
年齢からして、考えられないっ!」
知可子は安心して笑いながら言う。
「や、うんっ !
そこだけ確認したかったの。
でも、、、。
なんか、 不思議だわ。」
「 ? 、、何が?」
「ちづるが、そんな、、。
泣くような恋愛してる事が。」
「っ! 、、、」
「前は、もっとこう、、。
他人事みたいな。
感じに見えたから。」
「 ? 他人事?」
「 っ んーー、、、
うまく言えないけど。
恋愛には、ちづる
冷静な感じだったじゃん。」
「、、私? そっ かな、、?」
「だから。
なんか不思議よ。」
「そうなの かな、、。
、、、
自分じゃ 分かんないよ 」
「、、ふふっ
そりゃあ そーよねー。
あ、ねぇ!
プリン食べようよ。
デザートぉ〜〜」
「 、、 、ふふっ うん 」
ちづるは立ち上がり、
冷蔵庫からプリンを取り出し
2人で食べた。
知可子に、悩みを聞いてもらい
少し気持ちは軽くなった。
食べながら知可子は「私もさぁ、」
と、始まり自分の恋愛話をする。
しばらくまた、
お喋りを楽しんでいたが
知可子はちづるの表情に
気がついて思わず言う。
「ちづる、、。
眠いんでしょ?」
「 ぇ? 」
「 目が〜
トローンとしてる〜。」
「 ぁーー、、、
うん、少し、、。」
「少し寝たら?
あ、もう4時かぁ。」
知可子が
壁にかかっている
時計を見ながら言う。
はっと閃いてちづるに言う。
「ねぇ! 私、洗い物するよ。
そんで、終わったら帰る。」
「 ぇーー? いいよ〜
そのままで、、、」
「いーからっ!
スープのお礼っ
アンタはーー、、
好き所で適当に仮眠取りなさい。」
「 、、でもーー、、
悪いじゃん。」
そう言いながらちづるは
知可子の言葉に甘えたくなり
小さくアクビをした。
眠くて仕方ない様子だ。
知可子はパタパタと、
器やマグカップなどを片付け始める。
片付けながら言う。
「鍵開けっぱはマズイからー。
帰る時に起こすよ。
ちゃんと鍵閉めんのよ?」
ちづるは話を聞きながら、
寝室から掛け布団を持ってきて
ソファーに横になる。
ちづるが、
キッチンで洗い物をしている
知可子の背中に話す。
「ほんっとーー、、、
ありがとーー。
なんで、、こんな
眠いんだろ、、、、。
ぁーーー
最近、
寝てなかったからかな、、、。」
「えぇー?
喧嘩ぐらいで?
寝れなかったの? 」
「 うん、、、。
何日ぐらいかな?
まともに、、、
寝れなくて、、、、、」
熱 出ちゃったのも
きっと
気持ちと一緒に 身体も
弱ったから
なんて 言ったら
知可子は また
呆れるかなぁ 、 、
洗い物の音が
ちづるを深く安心させ、
静かに眠りに落ちた。
知可子は1度振り向き
ソファーの上で眠ったちづるを
見るとふっと笑う。
視線を戻し、洗い物を続けた。