後輩と水着-1
<マサ先輩ですよね、お久しぶりです>
隣の県の大会に行った時に、こんな風に声が掛かりました。
(えっ、誰だっけ?)
<忘れちゃったんですか?由美です>
(え〜、由美って、あのマネージャーの由美?)
由美は、マサの一学年下で、水泳部のマネージャーをやっていました。
学生当時は、黒縁眼鏡で、チョイポッチャで、どちらかと言うと目立たなくて、影の薄い存在でした。でも身体は良い身体で、胸が大きく、Tシャツ姿の由美の胸はかなりの物でした。ふざけて、良く揉んでいた記憶が有ります。
由美自体は、当時マサに対して、恋心を持ち、何かとマサに対して尽してくれました。
学生時代事故で入院してる時も、毎日のように弁当を作って来てくれたり、寮で御馳走してくれたりと、本当に尽してくれました。
ただ、マサのタイプでは無く、折角の申し出も断っていました。
(びっくりだよ、由美がどうして?しかも綺麗になってるし)
<マサ先輩、相変わらずね>
(何年ぶりかな〜)
<そうですね、最後にお会いしたのが、私が24の時だから、30年近くですよ>
(そうか、あの時由美の部屋で風呂入って帰ったんだ、思い出した)
<先輩、声が大きい、他の人が変に思うでしょう>
(でも、何にも無かったよ)
由美が就職してから、2〜3度連絡が有り、色んな相談に乗った事が有りました。
そして、1度だけ、マサが由美の住む町まで行き、酒を飲みながら相談に乗り、酔いを覚ます為に、由美の部屋へ行き、風呂だけ入って帰った事が有りました。
それ位、マサは由美の事を女性としては見て無かったんでしょうね。
今のマサからは、絶対に有り得ない状況です。
<先輩、まだ水泳続けてるんですね?>
(40後半から復帰したよ、今ではランキング上位だぜ)
自慢げに言うと、
<スゴ〜イ、道理で学生時代の体型のままですね、顔は老けたけど>
(コラ〜、一言多いんだよ〜)
昔に戻ったように、2人の会話は弾みました。
(で、由美はどうしてここに?)
<友達の応援とボランティアの役員で>
(そうか、水泳関係には居るんだな)
(由美、今夜空いてるだろう?久しぶりに飯でも行こうよ)
<昔から変わらないね、空いてるって、こう見えても亭主が居るから駄目ですよ>
(いい年して、何が亭主だよ、そんなもん何とでもなるだろう)
(偶には亭主一人にして上げなさい、きっと喜ぶぞ)
<自分勝手な性格、全然変わって無い〜。でも一度連絡して見るね>
由美が亭主に電話を掛けている時に、マジマジと観察しました。あのぽっちゃり系の由美が痩せて、良い女に、痩せたけど相変わらず巨乳で腰が締まって、お尻がデンと張り出して、よし、今夜は頂こう。人妻熟女の由美を。
<先輩、オッケーよ、ゆっくりして来いって>
(ほら、見ろ、俺の言う通りじゃんか)
(由美、何時に上がれる?)
<そうね、レース終わるのが3時半だから、後片付けして、5時には大丈夫>
(解った、5時にプールの反対側の入り口で待ってる)
マサは、由美が他の人に見られない場所を指定しました。
<先輩、サンキュー、ではまた後で。レースガンバ。>
(おう、任せとけ)
そして、マサは、自分のレースで、2種目制覇して、おまけに大会新記録でした。
直ぐにプールを後にして、食事が出来る施設の有るホテルを検索して、Wの部屋を予約しました。
5時少し前に待ち合わせ場所に。
(おう、由美、お疲れ)
<先輩、凄いじゃん、2種目制覇で大会新なんて>
(由美に良い所見せたかったからね、必死で頑張ったよ)
<嘘でも嬉しい。>
由美は、久しぶりにマサと会って、二人きりで話す事が出来たのが嬉しいみたいです。
目的のホテルに到着。
<先輩、ここは?>
(どうせ飲んだら運転できないから、今日はここに泊まって、明日帰るよ)
(誰も待ってる奴は居ないからね)
<あれ?奥さんは?>
(はい、離婚しました。俺には付いて行けないって)
<やっぱり>
(コラ〜)
<フフフ>
(ハハハ)
チェックインを済ませ、部屋に荷物だけ置いて、由美のもとへ。
(居酒屋で良いよな?)
<はい、何処でも良いです>
少し早い時間だけど、店に入り、ビールで乾杯です。
(しかし、ここで由美に会えるとは、思ってもみなかったよ。)
<私もですよ、マサ先輩に会えるなんて>
(今日は、一杯飲んで、一杯話そうぜ)
<楽しい時間を過ごしましょう>
由美とマサは、急ピッチでお酒を飲み、色んな昔話に花を咲かせています。