私は「手先娼婦」-7
コヨタはおしゃべりをひそめて、静かにうなずいた。
みりぅはゆっくり、コヨタのチンポを乳房にうずめていった。
「あ…… 先輩、ちょっと待ってください… すごい。もう精子出てしまいそうです。」
「こら、何を言ってるの。まだ挟んだだけで何もしてないわよ。」
「でも、オッパイの奥がピクピクして、気持ち良すぎです。」
「心臓の鼓動で感じてるわけ? さっきまでずっと手で愛撫してたのに。 たかがこれくらいの小さな刺激でイったりしないでよ。童貞坊やは これだから困るわ。」
「はい… 耐えます、がんばります。」
みりぅは ふだん見せない「上からの態度」でコヨタに強い調子でモノを言った。
みりぅは この調子でモノを言う事で、乳房の谷間にうもれたコヨタのチンポがよろこんでいるのを感じとっていた。
(コヨタくん、ドMなんだな……)
しばらく罵っているうちに、かなりがんばっていたコヨタにも ついに限界が来た。それを感じたみりぅは、もとの口調で告げた。
「コヨタくん、もういいわよ。あなたが好きなタイミングで射精してちょうだい。」
コヨタは固く閉ざしていた口元をゆるめた。
「先輩、ありがとうございます…… これでぼくも、童貞を卒業できます……」
みりぅは心の中で苦笑した。
(こらこら、あんなにいろんな雑学知ってるのに、童貞卒業の意味は知らないの?)
みりぅは乳房の両側から手でグッと圧力をかけた。コヨタが脚をピーンと伸ばした瞬間、乳房の間に熱い流れが走った。
みりぅが乳房を挟んだ手をゆるめようとすると、コヨタは自分の手を伸ばして 乳房を挟んだ。
「先輩、お願いです。もうちょっと…もうちょっとの間、オッパイにチンポを挟ませていてください。」
みりぅはコヨタの手に手を重ねた。
(本当は、早く精液 拭いてしまいたいんだけどなぁ──)
ようやくコヨタが満足して、乳房の間から出したチンポをみりぅがウェットティッシュで拭っていると、コヨタはみりぅの乳房の間を拭いはじめた。
それはコヨタがみりぅの乳房を汚した精液を拭いとるというよりも、コヨタが乳房に触れていたいがために拭っているようにみえた。
くもりガラスの窓が白く明るくなった。
空をおおっていた雲のひと所が切れ、陽の光がこぼれ出ていた。そしてその光が、窓の近くの花だんに植えられたばかりの葉牡丹を照らしていた。
その葉牡丹は数日前、みりぅも加わって園芸係が植えたものだった。
葉牡丹……野菜にしか見えない冬の花だんの彩り。しかしみりぅは葉牡丹が、秋の花が取り去られ 春の花が並ぶまでの季節の狭間に、とりあえず土の色を隠すために植えられるもののように感じていた。
(私も、同じような存在だなぁ〜)
みりぅは葉牡丹をを自分自身にかぶせていた。男たちが「カノジョ」と「カノジョ」の間に、とりあえず性の快感を得るために声をかけてくる自分という存在に。
(ま、別にそれに不満はないけどね。)
「先輩、知ってますか?」
もはや乳房を拭うことも忘れて、さっきのように乳首をイタズラしているコヨタが、また豆知識をつぶやいた。
「葉牡丹って春まで植えていると、グ──ンと背伸びして、花が咲くんですよ。」
━(おしまい)━