投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

バレーボール部物語
【学園物 官能小説】

バレーボール部物語の最初へ バレーボール部物語 0 バレーボール部物語 2 バレーボール部物語の最後へ

編入生挨拶-1

〜 編入生挨拶 〜

 私の高校には2つのコースがありました。 1つは『特進コース』といって、勉強を頑張って大学進学を目指すコースです。 もう1つは『クラブコース』といって、運動を頑張って全国大会を目指すコースです。 もちろん全部の部活が全国大会を目指しているわけじゃありません。 一部の『強化部』と呼ばれる部活だけ。 剣道、野球、サッカー、卓球、陸上、バレーの6つが『強化部』に指定されていました。

 『クラブコース』の生徒は全寮制で、全員どこかの『強化部』に入っています。 もともとセレクションで選ばれた優秀な(あくまでそのスポーツで、の話しですけど)生徒を集めているので、出身は全国津々浦々です。 部活に所属していない生徒は寮に入れないため、家が遠い生徒などは、是が非でも部活を続けなければなりません。 また、仮に家が近かったとしても、部活の先輩後輩の関係は学校のあちこちに絡みますから、どちらにしても簡単には辞められません。

 そんな高校で、私はクラブコースに所属していました。 女子バレー部です。

 私のバレー歴ですが、そんなたいしたものじゃありません。 小学校、中学校とバレーボール部に入って、中学3年生の時に県大会のベスト4まであがりました。 もともと大して強くない学校だったけど、たまたまやる気があるメンバーが揃ってたんだと思います。 万年一回戦敗退だったのが、その年だけやたらに活躍して、何度もジャイアントキリングしました。 たまたまいいメンバーが集まって、たまたま私がエース的立場になって、みんながみんな最高の仲間でした。 みんなとバレーするのはすっごく楽しくて、準決勝で負けたときは、みんなと控室で泣きました。 負けて悔しいというより、このメンバーと試合できなくなるのが悲しかった。

 中学校を卒業してもバレーを続けたいと思ったとき、尊敬していた顧問の橘(たちばな)先生が『どうせやるなら日本一を目指せ』と、この高校を薦めてくれました。 バレーの世界では名前が通った名門です。 全中のメンバーでも振るい落とされる難関です。 私なんてどうせ……と尻込みしたら、橘先生は、いつもと同じ優しい調子で『すごい監督がいるから、しっかり鍛えて貰え。 お前なら出来る。 セレクションを受けるだけ受けてみろ』みたいに励ましてくれました。 それで、ダメで元々でセレクションを受けて、その日はいつになく絶好調で……トントン拍子に合格して、入学、即入部したんです。

 監督は『小笠原卓(おがさわら たかし)』、日本史の先生です。 お歳は50を少し回ったくらいで、今までに何度もインハイに出場した経験をお持ちです。 少し眠そうな、腫れぼったいお顔をしていますが、見た感じと違ってとっても熱い先生です。 とにかく、厳しい先生でしたが、橘先生がおっしゃったとおり、すごく立派な先生でした。 今日は小笠原先生との思い出を、いくつか紹介しようと思います。

 
 


バレーボール部物語の最初へ バレーボール部物語 0 バレーボール部物語 2 バレーボール部物語の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前