タブレット-1
午前三時
今日もまた眠れない
いつになったらゆっくりと夢の世界へ行けるのだろう。
午前四時
今日で何日目だろうか
目の前のガラスのコップには水滴が汗のように滲んでる。
効き目 もう切れるはずなんだけどな
午前四時五十分
もうすぐ五時
眠れない理由 明確に解ってる
それを考えるとまた眠れなくなる
午前六時十分
夜が明けた あたし どーなるんだろう?
午前七時三十分
部屋の中をうろうろした
何もかわらない
午前七時三十五分
チャイムの音に飛び跳ねたわたしはまだ眠れていない学校は行かない! そう叫んだ
午前八時
部屋の一角が気になる
見られてる気がして心地悪い
午前八時十分
もう限界なのかもしれない起きながら夢を見るようになった
午前八時十五分
目を開けながら見る夢に身体が反応する
気付いたらさっき大声で叫んでいた
急いで口に手をあてたけど恥ずかしくて仕方なかった。
午前八時三十六分
誰かがわたしに手を伸ばした
掴もうとしたらわたしはテーブルから落ちた
電気の紐を見間違えたみたい
午前八時五十分
ひどく喉が乾いて水を探した 水を見つけてごくごく飲んだ
顔をあげると便器だった
その場で吐いた
午前九時
テーブルの上にある袋を窓から投げた
元凶が目に入るからわたしは負けてしまうんだと思ったから
午前九時十五分
顔を洗おうと洗面台へ行った
水を切って顔をあげてまた叫んだ
鏡のなかには化け物がいた
午前十一時
さっきまで部屋の隅で震えていた
鏡の中のアイツは出てこない
出てきたら恐いので目を瞑って必死にガムテープで鏡を潰した
これで安心
午前十一時十八分
部屋の鏡にもアイツは現われた
思わずベランダに投げ捨てた
割れる音を聞いてほっとしたからケラケラと笑った
午後十二時
この時間が一番苦しい
自分の身体を押さえたけど震えが止まらない
でもここで我慢しないと何も変わらない また眠れない
我慢だ 我慢だ