前編-1
【ピンコン】
それは、そんな音から始まった。
時刻は、火曜日の午前10時半。
マサは、休日で、やる事も無く、いつものサイトでチャットルームを作成。
【暇を持て余してる、中年人妻さん、お話ししませんか?】
こんな題名だったと思う。
パソコンの前で、待機する事15分。入室を知らせる合図が・・・。
(初めまして、中年オヤジのマサです)
<初めまして、主婦の優子と言います>
(優子さんですか、失礼ですが、おいくつですか?)
マサは若い子(40歳以下には興味無し)だったら閉鎖するつもりです。
<恥ずかしいけど、48歳です>
マサの、大好物の年齢です。
(全然大丈夫ですよ、私好みの年齢です。因みに、私は55歳です)
<良かったわ、いつも年齢聞くと、閉鎖する方が多いから>
<だから、最初に本当の年齢を言うようにしてるのよ、時間の無駄を省くため>
(私は、逆に、40歳以下だと、閉鎖します)
(余りにも年齢が違うと、話も合わない為、次のステップに進めないから)
<良かった、マサさん宜しくね>
(優子さん、こちらこそ)
<マサさんは独身?>
(はい、今は独身です。実はバツが付いてます)
<そうなんだ、今は多いわね>
(そうですね、でも私の場合は、バツ3なんで、少ないかも)
<あははは、確かに3回は少ないね、学習能力が無いのかな?>
(はい、よく言われます。家族にも友人にも、お前は結婚したらダメなタイプだと)
<だから人妻なんですね>
(ピンポ〜ン、その通りです)
(優子さんは、御主人居るんですよね?)
<はい、一人だけ居ります>
(SEXは?)
<いきなりですか?まぁその方が、話は早いわね、主人と?それとも?>
(勿論、両方ですよ)
そんな会話を、10分程していました。そして・・・。
<マサさん、キーボード打つの面倒くさく無いですか?非通知で良ければ?>
マサは、超ラッキーと思い、自分の電話番号を教えました。
5分後、非通知の電話が。
(もしもし、有子さんですか?)
<マサさん、電話しちゃった。>
(おおっ、可愛らしい声ですね)
<イヤだわ、48のおばさんに可愛い声なんて、みえみえですよ>
(イヤイヤ、これは本心ですよ)
<まぁ、良いわ、有難う>
(で、先程の続きですが、SEXは?)
<旦那とは、もう、7〜8年無いわ、旦那以外とはそれなりに>
(素晴らしい、その旦那以外の一人になりたいです)
<マサさん、早すぎますよ、口説くのが>
(話は、早い方が良いでしょう、お互い目的は一つなんですから)
<フフフ、面白い人ね、マサさん>
(よく言われます、話し早いから、あっちも早いと)
<バ〜カ、ウフフ>
<マサさんは、どんな事が、好きなの?>
(女性が好む事なら何でもOKです)
<女性が好む事?何なの?もっと具体的に言ってよ>
(それは、お会いした時のお楽しみですよ。)
<まぁ、ベールに包む訳ね。でも良いか、楽しみが解っちゃうよりは>
(でしょう、多少ミステリアスな部分が有った方が、お互い燃えますよ)
<確かにそうかもね>
(優子さん、どうせなら一度お会いして、直接、話しませんか)
<えっ、いきなり?>
(良いじゃ無いですか、何度もチャットや電話では、時間の無駄だと思いませんか)
<でも、まだ30分位しか過ぎて無いよ、知り合ってから>
(さっき、優子さんも時間の無駄は嫌いっておっしゃたじゃ無いですか?会いましょう)
<マサさん、言っておきますけど、私はブスですから、期待しないでね>
そうして、マサと優子は会う事に。
取り敢えずパチンコ屋の駐車場で対面です。
マサは、ビックリしました、自分で言われるだけ有って、確かにブスの部類に入ります。
ただ、スタイルは抜群です。色白で髪は長く、マサの好みですが、顔は、確かに一重瞼で
鼻は低く、少し目が離れています。
SEXは顔でする訳では無いので、気にしないようにしました。
(優子さん、初めましてマサです、こんなオヤジですが宜しく)
<マサさん、ビックリしたでしょう不細工で、私で良いかしら>
(そんなに謙遜しては駄目ですよ、充分イケますよ、私も人の事は言えませんから)
この一言で、優子は、安心したのか、顔がほころぶのを感じました。
<マサさん、立ち話もなんだから、車でお話ししませんか>
マサの車の助手席に、優子が座りました。