…-2
夕方二人で斎藤先輩の家に帰ると、電気もつけないままに
窓から入る夕日の中でテーブルに置いてあったものを手にした。
あ・・・
あの時、ショッピングセンターで買った
アロマキャンドルだ。
その2つの外装フィルムを外して火を灯した。
「いい匂い」
揺れた火とともにほんのり匂ってきたそれはピーチの香りだった。
「桃花の匂いだ」
私のそばに来て、そっとそっとキスをする。
「ムード満点だろ?心の準備しろ」
絶え間ないキスの合間に笑いながらそんな事を言うから。
「何の心の準備ですか?」
「心も身体も俺のモノになる準備」
その言葉がうれしくて、ぎゅっと抱きついた。
そっと降ろされたベッドでじっと見つめあって
「大好き」
「俺も大好き」
そう言いあって、二人で笑う。
こんな時間が来るなんて、想像もできなかった。
そっと始めた愛撫は、あっという間に服の中で直接肌をさする。
大切なものをなでるように触るその手に
「じらさないで」
と懇願した。
その言葉に、先輩は嬉しそうに服を脱ぎ捨てる。
その仕草さえもかっこいい。