で-4
「コスプレは、いやじゃなかったですよ」
ほんの少し空気を変えようと思って
ニッと笑って、赤い顔でそういえば
「そうか」
と、先輩も笑った。
「似合ってなかったけどな」
先輩も負けずに気を取り直してそう言うから
「後は胸だけでした!」
と、応酬すれば
「だなぁ・・・」
と、残念そうにうなづいた。
「ちょ・・・胸だって別にふつーですから!」
むきになった私を笑い飛ばして。
「わかったから、落ち着け」
「先輩・・・あの人とは・・・」
でも、これを聞かないと本当には落ち着けない。
「別に。お互いの部屋に残っていたものを返しあっただけ」
本当に、そうなのかはわからない。
けど、先輩がそれ以上言わないから、私はそれで納得することにする。
もし・・・
もしも、あの人がやり直そうという話だったとしても
今先輩の横にいるのは私で
先輩は私を好きだと言ってくれた。
それがすべて―――だと。
そのまま、先輩は私の看病をしてくれて
夜になると音楽をかけてテーブルにスタンドライトだけをつけて
部屋の電気を消した。