悦びは果てしなく-4
4.
お腹が空いたという清美を連れて暖簾をくぐった。学生時代からのなじみの焼きとん屋だ。
空襲の焼け跡の映画館シネマロサの並びに、縁台に葦ず張りの店を出して以来の名物焼きとん屋だ。
「いらっしゃい、ああ、所長さん、お客さんそこ一寸つめてください、はいどうぞ」
「酎ハイ、ライムで、あとシロ、はつ、かしら、しし唐をたれで。タン塩それぞれ3本づつ」
「あたしは、おビールを」
肉豆腐で締めると、店を出た。
「ご馳走さま」
「うん」
タクシーを拾って、行き先を告げる。
車は、川越街道、立体交差の脇にあるホテルに入った。
亮平は先に風呂から出ると、ベッドに横になった。浴室をさえぎるミラーガラスの窓のカーテンを開けると、横を向いた清美の熟れた素肌が、輝いて見える。タオルの動きにつれて、乳房がぷりぷりとゆれた。肩から浴びせた湯が、腹を伝って股間に流れ、黒い影をさやさや揺すった。
亮平は、勃起した肉棒にコンドームを被せた。
妻がセックスレスになって久しい。亮平は機会があれば、カジュアル・セックスに躊躇いは無かった。妻が務めを果たせない以上、外部に求めるのは当然だと割り切っていた。
妊娠、性病の予防に、いつもコンドームを用意していた。安全安心は、セックスを楽しむ基本だ。
清美が、バスタオルを腰に巻いて風呂場のドアに手をかけた。
亮平は、ミラー・ガラスのカーテンを閉めた。
型どおりに唇を合わせ、乳房を掴んで清美の膝を割った。
乳首を吸いながら、割れ目に指を伸ばす。
恥毛を分けて、お小根を探り、陰唇を割ると、そこはもう十分すぎる愛液が満ちている。
清美が、男根を握った。
「あら、所長さん、コンドーム?」
「まあ、最初だからな、念のためだ〜赤ちゃんが出来たら困るだろう?」
「所長さん、優しいのね」
「俺もセックス好きだから、お互い安心安全じゃないと、楽しくないからな」
「有難う、この次はピル飲んでくるわね」
亀頭を膣口にあわせて、腰を押し込むと、ヌルっと一気に根元まで嵌まった。
「ああぁ〜〜所長さん、いいわあぁ〜〜」
恥骨がこつっと突き当たった。
「いいなああ、この瞬間、なんとも言えないなあ」
「所長さんも好きなのね」
「ああ、大好きだよ」
「好きモノ同士って訳ね、よかったあ」
清美の店は日曜日が休みなので、二人は土曜日の閉店後に逢引を重ねた。
所長のペニスは、太からず、細からず、固いながらもはんなりとした優しさがあって清美を痺れさせた。亮平も、亀頭と子宮口が程よい距離でせめぎ合い、清美が容易に絶頂を迎えてくれるのが嬉しかった。
二人の関係は、清美が母親の介護で諏訪に帰るまで続いた。