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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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孫を頼む!-5

祭りも人通り楽しみお爺ちゃんが営む売店へ戻ると。

「いらっしゃい!……。」

営業スマイルをかますも私たちの姿を目にし急に白けた顔をする。

「お爺ちゃん…。」

私達を無視して営業を再開し客引きをするも立ち止まってくれる人は居ず、母は何処か気まずそうな顔をし、風馬君はふと未だ売れ残っている商品に目をやり。

「今年は売れ残りそうね。」
「たわけっ!まだ時間はある!溜息つく暇があったらお前も手伝え!」

機嫌の悪そうなお爺ちゃん、さっきの事まだ引きずっているのか。

ダラダラとやる気のなさそうに手伝う母、その時風馬君が奥に置いてある在庫用の品物のある方へ近寄り。

「何する気じゃ?」
「おばさん、袋ってあります?2つ、中くらいの。」
「?買い物袋ならあるけど。」

そういって布型の袋を二つ差し出し。

「何する気じゃ?」

二回目…。それはこっちが聞きたい、それを母から受け取ると私に一つを手渡し。

「風馬君?」

すると彼はその袋に品物を何個か詰め入れて。

「何する気じゃ?」

しつこいわ。

「人は沢山居るんだ、立ち止まって買ってくれないならこっちから積極的に声を掛けてやればいい。」
「え、それって。」
「何をする気じゃ?」

私も彼につれられ同じく野菜や果物を詰め込み、先程の花売りの少女と同じ事を行う。

成る程、これならお爺ちゃんの意地も守られ、売れ残りもなくなりそうだ。


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