ス-4
「キャンドルってこれしかないわ」
そう言って手に握っていたのは、真っ白く大きい仏壇用のろうそくで
「柳下が家から持ってきた」
そのろうそくを見て楽しそうにクスクス笑った。
キャンドルって・・・
まぁ、キャンドルに間違いはありませんけど。
「それを灯してのエッチは・・・
なんだか、身体に蝋を垂らされそうで嫌です」
その言葉に一瞬キョトンとした先輩は
その後見たこともないような大笑いをして。
「ダイブツちゃんのバージンギャグは面白いな!」
と大変お気に召したようだけど。
なんですか!バージンギャグって!
「とりあえず靴を脱いで入ってこいよ」
笑いをこらえながら、仏壇用のろうそくを押し入れにしまった。
「お邪魔します・・・」
と小さい声で呟いて、キョロキョロと見渡しながら入ると
「面白いもんなんかねーぞ。仏壇用のキャンドル以外はな」
と、また笑いだした。
ベッドに座った先輩は笑った顔をスッと隠して
急に見たこともないような色っぽい顔で手を差し伸べる。
「おいで」