キ-4
それは思ってもみなかった言葉で。
私が出会った時にはすでに彼女と付き合っていた斎藤先輩は
誰が見ても彼女一筋で。
合コンなんて、私の知っている限り1度も出たことはない。
「なに?フリーなんだから行っても良いだろ?」
ちょっとムッとした顔をしたあとに、思いついたように
「俺、もしかして合コン初めてかも!」
なんていいながら携帯をリュックから取り出した。
「なに・・・しようとしてるんですか?」
大きなお世話の私の言葉に
「いや、初合コンのセッティングを柳下に頼もうかと思って」
そう言いながら携帯を操作する。
「あの!」
慌てた私の言葉にも斎藤先輩は顔をあげずに携帯の操作を続ける。
「なに?」
「だったら私と付き合ってください!」
「え?」
そこでやっと、携帯から顔をあげた斎藤先輩は
「なに?俺と付き合いたいの?」
意地悪にそう聞いた。
「はい・・・」
「ふぅ・・・ん。俺の初合コンのチャンスがなくなるわけだ」
「ご、合コンは!そんなに楽しいものじゃありません!」
「なんだよ。その言い方はダイブツちゃんは行ったことあんだな?
俺は行ったことないのに。生意気じゃん。
楽しいものじゃないって、逆に行ってみたいんだけど」
「・・・・」