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『月の裏側』
【SM 官能小説】

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『月の裏側』-1

『俺、実はマゾなんだ』
達樹の突然の告白に晴香は驚きつつも、どこかで納得もしていた。
付き合って3ヵ月、キスさえしてこないくせに、どこか誘うような視線を投げ掛けられていたのは、そういう訳だったんた…
『マゾって…鞭で叩かれたり?蝋燭垂らされたり?ハイヒールで踏まれたり?』
乏しい知識の中から切れ切れの断片を投げ掛けると
『いや、あの…そういう人もいるけど…俺は悪戯されたりとか、恥ずかしがらされたりするのが…』
最初は苦笑混じりだったのが、喋っている内にみるみると赤くなっていく。
『晴香は、そういうの嫌?』
『嫌じゃない』
達樹の問いに晴香はふるふると首を横に振った。
全てを理解した訳じゃないけど、とりあえず女王様スタイルにならなくていいみたいだし?
『良かった…じゃあ、今日は晴香の好きにしていいよ』
達樹は安堵の吐息を洩らすと、ベットの端に腰掛け、顔を上げ軽く目を瞑った。
わーわーどうしよう?
とりあえず晴香は両手で達樹の頬を挟み、困惑したが、やがて魅き付けられるように、唇に唇を重ねた。
『ん…ふぁぁ…』
舌が絡み合い、離れ、顎に吸い付き、また首筋を伝い、耳を咬む。
二人、ベットに倒れこみ、執拗にキスを繰り返しながら、晴香は達樹のシャツのボタンをひとつひとつ外す。
やがて舌が鎖骨を伝い、胸の突起までくると歯と爪でカリカリと引っ掻く。
『ひゃんっもっとぉ…』
達樹の甘い声に励まされ、なおも熱心に舐め回す。
もっと、意地悪したい…
シャツを頭の上へと引っ張ると腕のボタンを外さずベットに固定し、自由を奪う。
『ん?!嫌っやだぁ…』これには達樹も予想外だったみたい。でも本気で嫌がってないのが晴香には見てとれた。
『嫌、じゃないでしょう?ずっとこういう風にされたかったんでしょう?正直に言いなさい。』
視線を合わせ少し威圧的に言う。
『ごめんなさい、嘘吐きました。ほんとはこういう風にされたかったんです…』
ぞくぞくぞくっと、快感が駆け抜ける。
『変態』
『はい…変態です…』
我ながら発想が貧困だとは思うけど、男をなぶるような言葉が貧困なのは当然。
『もう、ココこんなにして』
布越しに敏感な部分に触れると
『ひゃあ…ぁぅ』
びくびくと達樹は体を震わせる。
ベルトを引き抜き、ズボンとトランクスを一気に下ろすと勢い良くペ〇スが跳ね出る。
『くすっ元気だね』
私の視線を浴びて、より一層大きくなっていく、ソレ。
『見られて感じてるんだ?』
『恥ずかし…よ…』
体中を赤く染めて染めて、達樹が切れ切れに呟く。
『もっとして…そこの、ひきだしの…』
顔で指し示す引き出しを開けると、そこにはバイブなどの色々な道具が詰まっていた。
『これで、自分を慰めていたんだね?』
『そう、です…』
私は早速、引き出しから取り出した指サックをはめて、ローションを垂らす。
蕾にゆるゆると塗り込むとそこはやすやすと指を飲み込む。
『ひゃああん!もぅだめぇ…』
『だいぶ馴らしてあるんだね』
晴香も興奮が限界点で、達樹のペ〇スとア〇ルバイブにゴムを素早く被せると、バイブを蕾に突き刺し、一気に自らも腰を落とす。『ああぁ…』
『ひゃっくぅ!壊れちゃ…ぅ』
達樹の意識が弾け飛んで溜まっていた欲望を吐き出す。
数秒間の沈黙…
『勝手にイッてごめんなさい』
『いいよ』
達樹の頭を引き寄せて、目尻にうっすらとたまった涙を舐め取ってやった。
『晴香、初めてとは思えなかったよ』
達樹がうっとりと呟く。
晴香自身も驚いていた。自分も知らなかった裏側の自分。
体は満足していない筈なのに、この充足感、やみつきになりそう…

[完]


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