投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

hit on
【その他 恋愛小説】

hit  onの最初へ hit  on 12 hit  on 14 hit  onの最後へ

3-2








気付けば俺達は、とあるラブホのとある一室に辿り着いていた。


ラブホに入ったこともない俺が、こんなにスムーズに辿り着けるなんて。


ここに至るまでの記憶は見事なまでに曖昧になっているけど、こうして俺達がここにいるってことは、きっと上手くやったってことだ。


キョロキョロと辺りを見回してみる。


テレビドラマなんかで見るラブホに比べると、こざっぱりしていて結構シンプルなんだなってのが第一印象。


ビジネスホテルのシングルルームよりは少しだけ広くて、テレビはやたらデカくて、正直艶めかしい雰囲気はあまりない、至って普通の部屋に見えた。


でも、ビジネスホテルとは明らかに違うのは、やはりベッド。


男と女が絡み合うステージは、さすがにラブホなだけあって、かなり大きくて立派。


一際存在感を放っているソレは、何百ものカップルのセックスを見てきたのだろう。


俺達もその数にカウントされるんだと思うと、何だか変な気持ちになっていた。


「曽根さん……」


ようやく結衣さんが声を発した。


チラリと視線を横に向ければ、どことなく不安そうな彼女の顔。


もしかして、怖いのかな。


そう言えば、声も少し震えていた。


繋いでいた彼女の手は、いつの間にか俺のTシャツの裾を掴んで、俯いて。


そんな彼女の様子を見つめながら、俺はこれからどうするべきか密かに考えていた。


俺も結衣さんも、ヤるのが目的なんだから、すぐにでも押し倒してしまえばいい。


完全なる草食系の俺だけど、それなりにエロいDVDだって観てきたから、どんな流れでセックスをするのかはわかっているつもりである。


きっと前田もこの状況なら、すぐに相手に手を出すに違いない。


キスをして、ベッドに押し倒して、胸を揉む。


そう、とりあえずキスをすればいいんだと、思い出したように俺は結衣さんの両肩をグッと掴む。


突然の俺の行動に、結衣さんの身体は反射的に跳ねたけど、彼女もまた、ここまで来た意味をわかっていたので拒むなんて真似はしない。


ただ、ゆっくりと俺を見上げるその表情は、トロンと酔ったような甘えた目つきになっていて、それがあまりに色っぽかった。







hit  onの最初へ hit  on 12 hit  on 14 hit  onの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前