小さな告白-1
「『やっちん』もさぁ、今日プリント出しても意味ないと思うんだよね〜」
ブツブツと美雨がふてくされる。
「だよね〜。あたし達、もう高校決まってるんだからさぁ、
卒業式練習だけでいいよねー」
カリカリと手を動かす雫。
私たちは出された数学のプリントに文句を言いながら、
美雨の部屋にいた。
「美雨、前髪にゴミがついてる。取ってあげるよ」
「ん。よろしく」
美雨が目をつぶり雫に近づく。
唇に何か温かいものがふっと触れた。
「しっ雫?」
驚いて目を開けると
「ん。なに?」
と、いう風に雫が笑う。
『あれ?今の何だったんだろう』
「ねえ美雨」
「なに?雫」
雫が美雨に近づきキスをした。
美雨は思わず雫から距離を置く。
「しっしっ雫?」
驚き耳まで赤くなる美雨。
「ごめん美雨。あたしもうガマンできない」
そう言って雫は美雨の隣に座る。
「あたしね美雨が好き。誰よりも美雨が好き」
「あ、あたしも雫の事が好きだよ?親友だもの」
「そうじゃないの・・・」
雫はまた美雨にキスをする。
「きゃっ!」
美雨は驚き後ずさる。
「美雨の全てが知りたいって思うの。変かな?嫌かな?あたしおかしいのかな?」
「そ、そんな事言われてもわかんないよ・・・それにあたし達、女の子同士だよ?」
「それがわかんない・・・。でも美雨が好き」
雫がまたキスをしてきた。でも今度は美雨の唇を探すように雫の唇はゆっくり動いていた。
「んんっ!はっ、あっ・・・」
唇をからめとられ美雨はうまく言葉にできない。
雫は美雨の鎖骨の近くを愛しそうになでていた。
その手が少しずつ降りてきているのを美雨は感じた。
「やっ嫌・・・」
美雨が雫を突き飛ばす。
突き飛ばされてぽろぽろと泣き出す雫。
「ごめんね美雨・・・。こんなアタシ嫌だよね・・・。絶交してもいいよ・・・。
でもね美雨の事好きなのは本当のことだってことだけは覚えておいてね」
「いきなり絶交だなんて・・・。今までずっと一緒だったんだよ?
急にそんなこと言われても、なんか頭が追いつかないよ」
涙が止まらない雫。それをドキドキと抱きしめる美雨。
「む・・・胸だったら少しだけ触っていいよ」
美雨がドキドキしながら雫に言う。